掌に飾つて見るや雛の市
            小林一茶

 雛の日の鏡の中の鏡見ゆ
            能村研三
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        玄鳥歳時記より
  竹林を抜け来し光紙雛  岡部 榮一
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  補陀落や雨となりたる流し雛  土肥 幸弘
    


  雛の間にギブスの脚が投げ出さる  松尾 美子
  根の国へ続く雛壇奥吉野  安田 循子
  脛白きアナーキストや雛祭り  進藤三千代
  広辞苑繰りてひとりや雛の宵  加藤 幸子
  一献に嫁の饒舌雛あられ  樋口 登代子
  待合室の紙の日雛に金の帯  吉野 静
  しばらくは雛の間となる仏間かな  真田 白雨
  雛収め生涯母は働いて  村田 悦子



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