| 初夢や熱き男は昇り龍 | 辻 町子 |
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| 買い初めの無人鶏卵販売機 | 松木弘子 |
| 無か夢か一字に迷う初硯 | 尾﨑トキ子 |
| 初御空立山の峰まなかいに | 盛野成信 |
| 一湾の船括られて初霞 | 川辺智惠子 |
| 初茜鳥しなやかにしたたかに | 村田悦子 |
| 若水を心しづかに溢れしむ | 大賀華文 |
| 屠蘇酌むや家族ふたりの苦笑ひ | 橘髙辰男 |
| カーテンに先ず穏やかに初日受く | 藤本喜久巳 |
| 初春の家族の絆祝いけり | 小島啓司 |
| 揚船の天向く舳先初日の出 | 佐藤 勝 |
| 初春の日ざしの届く奥座敷 | 原 清子 |
| 妹の母似の指や餅の花 | 渡部久美子 |
| 年明けて心の句帳くり返す | 開発清二 |
| 味付けは貴方次第の古女かな | 浅村恵美子 |
| 去年今年座り癖ある父の椅子 | 宮下久美子 |
| 初夢やもも色の象遣って来る | 衣川智代 |
| 年迎うあらん限りの工都の灯 | 進藤芙蓉 |
| 美少女と空席目立つ初電車 | 小川 都 |
| 透きとおる空へ親子の奴凧 | 佐藤俊子 |
| のど飴をひとつもらいて初大師 | 福島峰子 |
| クリスマス番の蝶舞うおとぎ園 | 橋本勉二 |
| 初鏡そっと背筋を伸ばし見る | 山田 美 |
| 水仙や楷書のごとき立姿 | 嶋崎豐山 |
| 洋風のレシピを選ぶ年の暮 | 齊藤京子 |
| 師の色紙選びて掛ける今朝の春 | 坪倉明子 |
| 元朝や厨に湯気とハミングと | 佐藤美鈴 |
| 歩数計ゼロから始む初茜 | 佐々紀代 |
| 航空便敗れて顔出す破魔矢かな | 田口みつえ |
| 記憶する雑煮の味に近づけず | 新倉紀子 |