作 品 作 者 玄鳥掲載

教科書の中に睦月の海がある 岡部 榮一 平成23年2
百年のそら耳のごと去年今年 岡部 榮一 平成22年2
人日や胸ポケットに指サック 岡部 榮一 平成21年2
胸張って剃りを確かむ今朝の春 岡部 榮一 平成21年2
火に焼べる薄紙のごと去年今年 岡部 榮一 平成21年2
座布団を枕に醒めて初昔 岡部 榮一 平成21年2
ピノッキオをなだめすかして去年今年 岡部 榮一 平成21年1
入日や寝癖の髪の立ちあがる 岡部 榮一 平成20年4
やはらかな布巾の湿りお元日 岡部 榮一 平成20年4
寝返りのベットの軋み去年今年 岡部 榮一 平成20年4
トルソーの真珠の飾り去年今年 岡部 榮一 平成20年3
手枕に潮満ちて来しお元旦 岡部 榮一 平成20年2
酔うて寝て覚めて元日天袋 岡部 榮一 平成20年2
円く拭く風呂場の鏡去年今年 岡部 榮一 平成20年2
仕舞い湯に「風呂で読む本」去年今年 岡部 榮一 平成19年3
人日や鏡の前の付け睫毛 岡部 榮一 平成13年4
大旦髭を剃るとき口開く 土肥 幸弘 平成21年1
スナックの名刺の数や去年今年 土肥 幸弘 平成21年1
耳くそほじる膝の重さも女正月 土肥 幸弘 平成20年1
三が日ときどき起きて水を飲む 土肥 幸弘 平成20年1
人日や靴下に穴あいてゐし 土肥 幸弘 平成16年3
一刀の置かれし床や大旦 土肥 幸弘 平成15年3
人日や髭を剃るとき口ひらく 土肥 幸弘 平成14年3
下駄箱に日の移りたるお元日 土肥 幸弘 平成14年3
テレビに飽きし猫が寝にゆく三日かな 土肥 幸弘 平成13年3
松過ぎの街眼帯のうす汚れ 土肥 幸弘 平成11年3
千年の寓居の雨戸大旦 土肥 幸弘 平成10年3
落し穴いくつも掘って年迎う 土肥 幸弘 平成10年3
酔うて寝てまだ元日でありしかな 土肥 幸弘 平成9年3
人も車もこの路地に来ずお元日 土肥 幸弘 平成9年3
元朝のかさりともせぬ隣かな 土肥 幸弘 平成9年3
元日の更地の昏れの早きかな 土肥 幸弘 平成8年3
黄落に似る元日の天袋 土肥 幸弘 平成8年3
歳旦のまだ物置かぬ畳かな 土肥 幸弘 平成7年3

人の日のミートソースを焦がしけり 片山 宜子 平成24年5月
小正月海に抱かれにゆくところ 中山 妙子 平成24年5月
人日やサイコロの目に赤一つ 跡治 順子 平成24年4月
女正月蝶番の釘見ておりぬ 木村 修 平成22年5月
松過ぎの二階ほのかに酢の香り 神野 多根 平成22年5月
夫の座に夫居る暮し小正月 飯田 愛 平成22年5月
正月の市場に光る水溜り 開発 清二 平成22年4月
人日や缶に大きなシリカゲル 鈴木 弘子 平成22年4月
身にまとう紐のいろいろ年迎ふ 林  梢 平成214月
幕間のさんざめく声松の内 橋 慶子 平成214月
正月は顔のつるんと有りにけり 石田 剛 平成214月
去年今年バターの走るフライパン 横山 冬都 平成214月
元朝や大気に柱あるごとし 植田 信子 平成204月
鯛焼きの尻尾の向きが去年となる 中島ヒロシ 平成203月
ハンケチを丸める手品小正月 下野 栄子 平成194月
カップ麺の蓋反りかえる小正月 竹下由里子 平成185
小正月外へころがる笑い声 志水 つい 平成18年4月
ルノワールのようにぼやけし三日かな 後藤 理勢 平成18年4月
正月を叩いて出せし畳かな 植木 秀子 平成17年5
あらたまの年の始めの大欠伸 井上きくを 平成16年5
牛日や駅弁を買いディスク買い 木村美智子 平成16年5
ころっけを所望している四日かな 石川 暘子 平成16年4
謹賀新年百年前へ橋わたる 大西 昇月 平成16年4
人日やドリンク剤を立ち飲める 藤川 圭子 平成15年5
吹きぬけのガソリンスタンド今朝の春 志水 つい 平成15年5
シャワーヘッドのあばれておりし四日かな 西田由紀子 平成15年4
正月や袋のなかのもの動く 進藤三千代 平成15年4
メンソレータム以下同文のお正月 若林 千尋 平成13年4
空港の世界の時計去年今年 原  正昭 平成13年4
パソコンに蛇を囲うや三ヶ日 古村 寛子 平成13年4
百幹の竹一月の青さかな 横山 冬都 平成13年4
一月や海に行李の行き来して 岡田美佐枝 平成12年4
正月にうしろ髪あり昼の酒 熊田ひとし 平成12年4
一月の川を隔てて町と村 鈴木あきを 平成11年5
笹山に笹の風吹くお正月 浅木とき子 平成11年4
一月や湖面のごとき能舞台 竹下由里子 平成11年4
象のごとき鼠を捕らふ四日かな 小倉 喜郎 平成10年4
土すこし踏みて暮れけりお元日 坂部まきゑ 平成10年4
顔に皮ある元朝の目覚めかな 坂本 宣子 平成10年4
元日の塵を見ていて祓われる 新保 吉章 平成10年4
布団の端母と重ねるお正月 木村美智子 平成9年5
水銀柱から一月の海拡がりぬ 植田 信子 平成9年4
お元日ひょいと飛び越す溝の蓋 東  霊女 平成9年4
元日や少し離れてわが家見る 藤川 圭子 平成8年5
一月や鏡の中に雑木山 仲谷 歌江 平成8年4
一月やドスンと象がふってくる 岡田美佐枝 平成8年4

歳時記TOP