作 品 作 者 玄鳥掲載

杜子春は夕焼け空でありしかな 岡部 榮一 平成21年9月
腰越の駅舎の鏡夏の雲 岡部 榮一 平成21年8月
新刊にジッパーの音青嵐 岡部 榮一 平成21年7月
連続のラジオ小説月涼し 岡部 榮一 平成20年9月
アド・バルーンのロープの軋み雲の峰 岡部 榮一 平成20年9月
五月闇髪にざらつくジャズピアノ 岡部 榮一 平成20年8月
ペタル漕ぐビルの片陰ぬいながら 岡部 榮一 平成19年11月
商店街の教会の窓大西日 岡部 榮一 平成19年11月
大西日銀座カーネル・サンダース 岡部 榮一 平成19年10月
ベルを二度鳴らす宅配雲の峰 岡部 榮一 平成19年10月
おーおーと来る托鉢僧梅雨曇り 岡部 榮一 平成19年10月
炎天のマウンドに似る赤チンキ 岡部 榮一 平成14年11月
夏の月転職のこと妻のこと 岡部 榮一 平成9年11月
校庭に炎天がある影がある 岡部 榮一 平成7年11月

目つぶれば見ゆる夕焼け波浮港 土肥 幸弘 平成21年7月
ムアの王妃の胸のふくらみ風薫る 土肥 幸弘 平成21年7月
犬神家も真神も絶えて旱星 土肥 幸弘 平成21年6月
落雷の匂ひに満てり神の杜 土肥 幸弘 平成20年8月
音ほどに吸はぬ掃除機朝ぐもり 土肥 幸弘 平成20年8月
野晒しや大きな西日を賜りし 土肥 幸弘 平成19年9月
下町や素肌の色の夏の月 土肥 幸弘 平成19年7月
付いてをるかと問はるる赤子風薫る 土肥 幸弘 平成19年6月
しばらくは夕立の雨脚見て飲みぬ 土肥 幸弘 平成18年7月
炎昼を来し人静か原爆図 土肥 幸弘 平成17年8月
土蔵造りの仏壇店の西日かな 土肥 幸弘 平成17年8月
押しピンの孔多き壁旱梅雨 土肥 幸弘 平成17年8月
箸折って捨てる駅弁虎が雨 土肥 幸弘 平成16年8月
鯨幕揺らして梅雨の人通る 土肥 幸弘 平成16年8月
夕凪や口の汚れしソース瓶 土肥 幸弘 平成14年9月
電気カミソリしつこく鳴りて朝曇 土肥 幸弘 平成14年9月
落ちそうなセスナ機の音朝ぐもり 土肥 幸弘 平成13年9月
夕立あと若道のごと句碑立ちし 土肥 幸弘 平成13年9月
厨房が先に点りし梅雨の宿 土肥 幸弘 平成12年9月
よく育つ屋根のアンテナ梅雨の町 土肥 幸弘 平成12年9月
病院食のこぼれに寄りて梅雨の鳩 土肥 幸弘 平成12年8月
人間に管を継ぎ足し梅雨を生きる 土肥 幸弘 平成12年8月
術前の陰の剃りあと梅雨に入る 土肥 幸弘 平成12年8月
死体のごと引きずる袋梅雨出水 土肥 幸弘 平成11年11月
白南風や車も犬も丸洗い 土肥 幸弘 平成9年10月
ピアノの上の猫の足跡風薫る 土肥 幸弘 平成9年8月
立読みのつづきは明日夏の月 土肥 幸弘 平成9年8月
梅雨を来し靴下におう通夜の席 土肥 幸弘 平成9年8月
梅雨鴉わが鳥葬に集いしか 土肥 幸弘 平成8年9月
手の届く距離にトランス梅雨の窓 土肥 幸弘 平成8年9月
先ず尻を入れてたためり梅雨の傘 土肥 幸弘 平成8年8月
梅雨を来し傘持ちあるく夢二展 土肥 幸弘 平成8年8月
妻の次に孫の手使い梅雨ごもり 土肥 幸弘 平成7年10月
比べ見る左右の拳真炎天 土肥 幸弘 平成7年9月
山並みや生まれてすぐの夏の星 土肥 幸弘 平成7年10月
片蔭や頭ときどきはみ出して 土肥 幸弘 平成7年10月
炎天に起点があらん厠窓 土肥 幸弘 平成7年10月
緩慢にビル崩壊す雲の峰 土肥 幸弘 平成7年8月
わが影を訪ね来し影夏の月 土肥 幸弘 平成7年8月
缶蹴りの缶の疲れや夏の星 土肥 幸弘 平成7年8月
小銭出す梅雨の鞄を股に挟み 土肥 幸弘 平成7年8月

地下足袋のふいと消えたる真炎天 伊藤 保子 平成24年10月
風薫る仙洞御所の竹の樋 宮下久美子 平成24年9月
雲海に波うつ調べなかりけり 石塚 洋子 平成23年12月
炎天を夫は呼ばれて行ったきり 坂部まきゑ 平成23年11月
一ツ星の岩波文庫夏の雲 佐藤 美鈴 平成23年10月
恋文は一行がよし男梅雨 神野 多根 平成23年9月
真っ新な柩の広さ雲の峰 開発 清二 平成23年9月
競りに出される牛の一声夏の雲 露木 一江 平成23年9月
隣から火を焚く匂い走り梅雨 後藤 理勢 平成23年9月
義仲と芭蕉濡らして夕立過ぐ 新保 吉章 平成23年9月
包丁で骨叩き切る雲の峰 鈴木あきを 平成22年12月
炎天の関東平野から逃げる 石田 剛 平成22年12月
炎天のバスより降りて来る喪服 内田 湘生 平成22年11月
廃校のトーテンポール夏の月 今井 芳江 平成22年10月
西日だけ差し込む下宿ネスカフェ 安田 循子 平成22年10月
切株にカフカ一冊青葉風 木村 修 平成22年9月
開けかけのコンビーフ缶夏の風 木村 修 平成21年10月
物置の屋根に先ず来る夕立かな 樋口 進二 平成21年10月
五月雨るるベンチにぽつとアルミ缶 橘 辰男 平成21年9月
口中に鱗いちまい梅雨永し 堀井 国乃 平成21年9月
青嵐コントラバスのf字孔 宮川壽美子 平成21年9月
秒針が集まっており五月闇 進藤三千代 平成21年9月
遺されし母の箪笥や五月闇 佐藤 美鈴 平成21年8月
いなびかり人の夕食覗き込む 鈴木 令子 平成20年11月
五月闇埴輪の目玉買いに行く 木村 修 平成20年10月
あとひとつ鍵盤押せば梅雨に入る 木村 修 平成20年9月
都府楼の礎石の数や雲の峰 田村竹次郎 平成20年9月
三畳の下宿二畳は西日なり 木村 修 平成19年12月
雲の峰とうに忘れし微積分 宮下久美子 平成19年12月
アルマジロばかり育って梅雨ふかし 木村 修 平成19年11月
ののさまが泣いたみたいな夕立かな 後藤 理勢 平成19年9月
夏星や知らない歌を子が歌う 後藤 理勢 平成19年8月
旅に来て千代女の家の片蔭に 太田 まさ 平成18年12月
むかし見し手旗信号沖に雷 加藤 すが 平成18年11月
喜雨に濡れ脱皮見られている気分 水田雅吉子 平成18年11月
なかにし礼の眼鏡の奥の夏の月 若林 千尋 平成18年11月
ジュンドロップ平仮名書きの警察署 熊田ひとし 平成18年9月
教会にゴム跳びの子等若葉風 樋口 進二 平成18年8月
夏の月天狗の山を通りけり 小杉てる子 平成18年8月
自動ドア猫が出てゆく夏の月 水田マンボウ 平成17年9月
五月雨やいつも遅れて来る電車 廣岡 静子 平成17年9月
遭うことの耐えて卯の花腐しなる 松田眞喜子 平成17年9月
五月雨やきれいに残る魚の骨 藤川 圭子 平成17年9月
校塔の時計の狂う西日かな 石井 勝美 平成16年11月
夏の月夫婦とわかる影二つ 袴田比朗士 平成16年11月
ギイギイと伊勢海老鳴くや夏の月 水田マンボー 平成16年10月
蟻の刻も象の時間もある炎天 石田 剛 平成16年10月
鏡の中に鏡がうつる梅雨茫々 藤川 圭子 平成16年10月
白南風を走り続けている鼠 久保 俊一 平成16年10月
黒南風やハンバーガーに顔喰われ 水田マンボウ 平成16年9月
馬跳びの馬のでこぼこ南風 西田由紀子 平成16年9月
津田三蔵の石ころの墓雲の峰 安田 循子 平成15年11月
けんかして負けて帰る子虎が雨 佐薙 佳子 平成15年10月
歩道から傾ぐ駐車や雲の峰 阪口 周 平成15年10月
日雷拳の中の金米糖 小川 文子 平成15年10月
イカスミパスタ喰って夕立に降られけり 水田雅吉子 平成15年10月
新築やガラスが入り夕焼ける 東  霊女 平成15年10月
大津絵のにんじん色や梅雨ふかし 横山 冬都 平成15年10月
肩までの高き濡れ縁夏の雲 東  霊女 平成15年9月
恋という一眼レフで撮った虹 田村 房子 平成15年8月
民宿の納戸のピエタ凪暮色 鈴木 茂実 平成14年11月
末っ子やペットボトルに夏の月 進藤三千代 平成14年11月
梱包の材に「Baikal」梅雨の木場 井出 栄子 平成14年11月
遠雷や銃砲店の深庇 小川 紫翠 平成14年10月
炎天は新聞を開くように在り 石田 剛 平成13年12月
二、三本脚を跨いで炎天へ 小倉 喜郎 平成13年11月
雲の峰動きはじめる搾乳器 志水 つい 平成13年11月
梅雨の家アルミフォイルが音立てる 出 日 人 平成13年9月
空梅雨や向き合っているパイプ椅子 小倉 喜郎 平成13年9月
ローソンの上にマンション夏の月 澤井 美鈴 平成13年9月
雲の峰浮桟橋に下駄の友 新井 裕 平成12年11月
オールクリアー押し炎天の中にいる 小倉 喜郎 平成12年11月
法起寺の塔のあたりの日雷 安田 循子 平成12年10月
ふり向くと炎天がある昭和かな 石田 剛 平成12年10月
使い捨ての宿の歯ブラシ朝曇り 阪口 周 平成12年10月
口で紐解きつつあれば日雷 山崎冨美子 平成11年12月
清拭の看護婦五人夏の雲 榎本 太郎 平成11年11月
真炎天日本が端の世界地図 今井 紋子 平成11年11月
曲芸を終えしイルカや夏の月 猿田 恭子 平成11年10月
こうもりを畳んで梅雨の夜が消える 石田 剛 平成11年10月
マネキンに人工呼吸走り梅雨 井上きくを 平成11年9月
日盛りの木馬係を恋人に 進藤三千代 平成11年9月
司法二庁と秋水の墓炎天 椎野 正郎 平成11年9月
死者の眼に鎮守の森の夕焼ける 椎野 正郎 平成11年1月
油照り柩その気になってきし 本岡 敬子 平成10年12月
真っ白な新聞が来る雲の峰 篠崎 睦美 平成10年11月
貨車一輌チチブセメント雲の峰 太田 鈴子 平成10年11月
頑強な歯牙の出土や夏の雲 小塚 英子 平成10年10月
荒川は一級河川雲の峰 太田 鈴子 平成10年10月
手でなぞる猫の骨格梅雨ながし 山崎冨美子 平成10年10月
夏の月ひと足さきに鰻屋へ 前山 厚子 平成10年9月
ペンキ屋の声炎天の尾根移る 志水 つい 平成9年12月
「海は右すぐ」日盛りのバイク店 木村美智子 平成9年11月
スリッパの裏に蹤きくる梅雨の音 藤本 和民 平成9年10月
梅雨ふかし医学部裏の兎小屋 斉藤志げ子 平成9年10月
針山に去年の髪や夕立くる 進藤三千代 平成9年10月
肋木に臍ぶらさがる雲の峯 前山 厚子 平成9年10月
炎天へ出て行く棍棒のごときパン 石田 剛 平成9年9月
五月雨や越中八尾素通りす 倉持 淑子 平成9年9月
片蔭に矢を射る肘が張られけり 松橋紀代二 平成8年12月
炎暑来て窯の火入れに出逢いたる 酒井 和子 平成8年11月
昨日から自転車がある片かげり 熊田ひとし 平成8年11月
梅雨晴間ビルの谷間の洋食屋 溝本まさゆき 平成8年11月
油照り眼あまたの螺旋階 木村美智子 平成8年11月
梅雨空や空気を溜める圧縮機 倉持 祐浩 平成8年11月
貯炭場の錆びた犬釘日雷 四方 花紅 平成8年10月
白南風や五人家族のバスタオル 熊田ひとし 平成8年10月
線路なきD51の上雲の峰 森田 虹生 平成8年9月
木箱から髭がはみ出す夕立あと 岡田美佐枝 平成8年9月
巻きぐせの卒業証書五月闇 小川 紫翠 平成8年9月
夕立の通り過ぎたる映画館 小川 紫翠 平成8年1月
駅裏のメニューの模型大西日 灰原美奈子 平成7年12月
夏の月分娩室が大騒動 小川 昭子 平成7年11月
夏雲に渡すコンテナA埠頭 小川 文子 平成7年11月
喜雨の中老女老鶏いさかいぬ 水田雅吉子 平成7年11月
炎天をゆくトラックに石ひとつ 井上きくを 平成7年10月
どかと置く荷の音のして梅雨ふかし 横山 久香 平成7年10月
欠席の机で遊ぶ夏の風 宮川壽美子 平成7年10月
夏雲を目印として埋めし骨 袴田比朗士 平成7年10月
少年の匂い夕立駈けぬけり 井上 きく 平成7年9月
青田風遊びつかれしキューピット 片岡 禎子 平成7年9月
灯をひとつしまい忘れし梅雨の山 岡田勢津子 平成7年9月

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