作 品 作 者 玄鳥掲載

世之介の白帆が沖に百日紅 岡部 榮一 平成24年9月
薔薇剪つてばらの形の機嫌かな 岡部 榮一 平成24年8月
少年が水濡らしをり夏薊 岡部 榮一 平成24年7月
優曇華や都の柱焦げ臭し 岡部 榮一 平成24年7月
教科書のページの弛み花は葉に 岡部 榮一 平成24年7月
げんこつにガキの踏ん張り夏薊 岡部 榮一 平成23年7月
教室に雲湧き上がる夾竹桃 岡部 榮一 平成22年8月
蛇打てば真空管に灯のとぼる 岡部 榮一 平成22年8月
大和路の水澄みし田の余り苗 岡部 榮一 平成22年7月
新緑の廊下の吹奏学部かな 岡部 榮一 平成22年7月
飯台の沖に軍艦枇杷熟るる 岡部 榮一 平成21年9月
帚木や木造校舎に海の音 岡部 榮一 平成21年9月
校庭に浮かぶ渾名や百日紅 岡部 榮一 平成21年9月
団塊に円形校舎枇杷熟るる 岡部 榮一 平成21年8月
伴天運の肋に生えし棕櫚の花 岡部 榮一 平成21年6月
コンパスに挟む鉛筆花は葉に 岡部 榮一 平成21年6月
高階の窓辺に苦く噛むパセリ 岡部 榮一 平成20年10月
セロハンを畳みし音や合歓の花 岡部 榮一 平成20年9月
よく揃うストリートダンス百日紅 岡部 榮一 平成20年9月
桑の実に少年の日の心音 岡部 榮一 平成20年8月
残像の小津の夕暮れ夾竹桃 岡部 榮一 平成20年8月
千年の潮の満ち干や夏椿 岡部 榮一 平成20年7月

伊豆山神社の腰掛石や栗の花 土肥 幸弘 平成21年8月
金色の展示の茶室竹落葉 土肥 幸弘 平成21年7月
ヘップバーンに似たる妃の像今年竹 土肥 幸弘 平成21年7月
紫陽花や樋の継ぎ目のずれてをり 土肥 幸弘 平成20年7月
二人ゐて火薬の匂ひけしの花 土肥 幸弘 平成19年10月
地の影が遅れて着きし夏燕 土肥 幸弘 平成19年10月
万歳の股間の荷物夏木立 土肥 幸弘 平成19年8月
不時着に手ごろな中州草茂る 土肥 幸弘 平成19年7月
竹秋や天地無用の一円相 土肥 幸弘 平成19年6月
敬礼のたびに人減る草いきれ 土肥 幸弘 平成18年8月
優曇華の咲きし蓄音機の喇叭 土肥 幸弘 平成17年11月
尻立てて廊下拭きをり若葉風 土肥 幸弘 平成17年6月
賽銭の数だけ落ちて夏椿 土肥 幸弘 平成16年7月
池に石投ぐるも逢瀬柚子の花 土肥 幸弘 平成16年7月
桐の花未婚の母が来て並ぶ 土肥 幸弘 平成16年7月
仏壇の裏手は広し草いきれ 土肥 幸弘 平成15年9月
考へてゐると躓く百日紅 土肥 幸弘 平成14年7月
夏草や休んでゆけと石が言ふ 土肥 幸弘 平成14年7月
ワシコフのワイフとキャベツよく太る 土肥 幸弘 平成14年7月
どしゃ降りの中向日葵と日の丸と 土肥 幸弘 平成14年7月
花は葉に子供ができてしまひたる 土肥 幸弘 平成13年6月
枝豆の箱の湿りて届きたる 土肥 幸弘 平成12年9月
鏡を見ぬ男のひと日夏蓬 土肥 幸弘 平成12年8月
青芝や赤子覗くに掌をつきて 土肥 幸弘 平成11年8月
夏草や白波の噛む震洋碑 土肥 幸弘 平成10年9月
粉挽唄くらきに流れ夏椿 土肥 幸弘 平成10年9月
義姉いまも二つ違ひや青楓 土肥 幸弘 平成10年8月
極楽寺裏の竹の子よく育つ 土肥 幸弘 平成10年8月
立たされし児は向日葵となつてゐし 土肥 幸弘 平成9年10月
緑蔭を出る両膝をポンと打ち 土肥 幸弘 平成8年11月
中央病院看護婦寮の夾竹桃 土肥 幸弘 平成8年10月
万緑の力のつまる校舎かな 土肥 幸弘 平成7年9月
葉ざくらや辞書のあいうえお順忘る 土肥 幸弘 平成7年8月

ひまわりや指まで乾く紙粘土 豊田 幸枝 平成24年12月
偕老の一歩に甲斐の道をしえ 横山 冬都 平成24年12月
夏草や昼なほ暗き黒木御所 高橋 修子 平成24年11月
小判草蜑の裏口垣結わず 島田 冬生 平成24年11月
三言ほど返る一言茄子に花 新保 吉章 平成24年10月
坂下る自転車宙へ虞美人草 宮本 義之 平成24年9月
十薬の花の中なる祠かな 平井知志子 平成24年9月
万緑や石を跨いで石を彫る 川辺智惠子 平成24年9月
緑陰の讃美歌ラスト・リユニオン 安田 循子 平成24年9月
三つ編の髪ほどきしは合歓のころ 神野 多根 平成24年8月
葉桜や母校の前の「えんぴつや」 樋口登代子 平成24年8月
眉太き孟母の像や花は葉に 小佐野祐一 平成24年8月
襟足がいくつか過ぎて葉の桜 進藤三千代 平成24年7月
嵯峨御所の紅蓮白蓮返し歌 安田 循子 平成23年12月
おほばこに遠く開拓記念塔 後藤 理勢 平成23年11月
巴旦杏ドンキホーテは粉屋の子 中島 道夫 平成23年10月
乙姫か真間の手児奈か合歓の花 窪本 正行 平成23年10月
青桐の下ままごとの部屋がある 横山 久香 平成23年10月
廃校は抽き出しばかり青葉騒 吉畑允文枝 平成23年10月
太閤の御土居の跡や夏蓬 安田 循子 平成23年10月
木下闇大原下る水の音 高橋ゆきい 平成23年9月
緑陰を出る新しき影つれて 藤川 圭子 平成23年9月
青葉騒馬越峠の石疊 小林 妙子 平成23年9月
丼の山盛り飯や今年竹 佐藤 美鈴 平成23年8月
葉桜や封印という別れあり 石川 暘子 平成23年8月
泰山木の花噺家の着道楽 浮谷 栄子 平成23年8月
宿題は未完青林檎に歯型 石川 暘子 平成22年11月
かやつり草母の在所の泉水場 松谷眞佐子 平成22年11月
釈尊と十人の弟子額の花 木村 修 平成22年10月
栴檀に首掬われし夜道かな 畠山 桂泉 平成22年9月
著莪の花伎芸天女の肩の線 松木 弘子 平成22年9月
俎板の干され十薬匂いきし 松尾 美子 平成22年9月
万緑やしばらく貨物列車音 伊藤 保子 平成22年9月
白牡丹くずれんとして闇うごく 横山 冬都 平成22年8月
夕東風やぽんぽん船の黒煙 根本八千代 平成22年7月
路地裏の荷風の塒君子蘭 米山 成男 平成22年7月
くれよんの赤は緑によごれたる 進藤三千代 平成22年7月
無防備に薔薇を咲かせる日本地図 小川 紫翠 平成21年12月
猿滑撫でて合点の下校道 樋口登代子 平成21年11月
髪切って寂しい指や鳳仙花 瀬山 賤女 平成21年11月
草いきれ財布の口があいている 竹下由里子 平成21年11月
妻と来て数え疲れし花菖蒲 猿田 潤一 平成21年10月
紫陽花や張り紙多き定食屋 猿田 恭子 平成21年10月
不審ヶ辻子鬼がのこした山桜桃の実 窪本 正行 平成21年9月
草いきれ塩桶漁る牧の牛 開発 清二 平成21年9月
幽かなる毒素の匂い夜の新樹 石川 暘子 平成21年9月
玉子かけご飯の醤油新樹光 鈴木 弘子 平成21年9月
妻留守の流しに四葩花鋏 樋口 進二 平成21年9月
薔薇生けて薔薇の香りに遠くいる 竹内ゆき子 平成21年7月
夕顔のひらく潮位のありにけり 鈴木あきを 平成21年1月
のうぜんやへこみし朱肉練り上がる 渡利 寿美 平成20年12月
一筋の傷の恋しさ青芒    津子 平成20年11月
朗読の「水を下さい」夾竹桃 大倉 操 平成20年11月
枇杷熟るる薩捶峠へ三里半 澤 由紀江 平成20年10月
仄湿る畳廊下や花十薬 大坪芙美子 平成20年10月
緑陰の風に寝かせる乳母車 林  梢 平成20年9月
緑さす樺美智子の遺稿集 石川 晹子 平成20年9月
ビートルズ苺ハウスの中流る 横山 冬都 平成20年9月
牡丹焚く焔のうらの班女かな 窪本 正行 平成20年1月
思い出をいっぱい見て散る百日紅 青木 満 平成19年12月
手おんぶにのけぞっている瓜の花 大西 史子 平成19年11月
木下闇自分が好きと言う回路 若松 一考 平成19年10月
夜明けまで止まぬ雨音栗の花 太田 睦子 平成19年10月
夫の栖む蛍袋をさがしけり 横山 洋子 平成19年10月
雛罌粟のわたしの影が濃ゆくなる 岩切 恵子 平成19年9月
竹の花八十歳の歯みがき粉 大倉 操 平成19年9月
万緑や耳輪のあとにある疲れ 藤川 圭子 平成19年9月
ミモザ散るカフカの家の石畳 奥田 慶子 平成19年8月
蘇鉄の花維新と駈けし男たち 鈴木 令子 平成19年8月
ひまわりや古道具屋の定休日 井上きくを 平成18年11月
駒草や未だ寝袋の夢の中 鈴木 令子 平成18年11月
広報の出生数や韮の花 竹下由里子 平成18年11月
ゆらゆらと都電現る薔薇の中 登坂 章一 平成18年10月
紫陽花の窓辺に机移したる 桑島 國 平成18年10月
さくらんぼ明日の約束思い出す 進藤 芙蓉 平成18年10月
一輪のガーベラ青い洋酒壜 猿田 恭子 平成18年10月
北斎の波にまぎれし立浪草 廣岡 静子 平成18年9月
額の花洋装の母連れ出せり 瀬山 賎女 平成18年9月
十薬を飲めばパソコン打てるかも 加藤 すが 平成18年9月
時計草賞味期限は明日まで 今長谷八津未 平成18年9月
栴檀の花降るドチリナ・キリシタン 安田 循子 平成18年9月
抽斗の底見えており柿の花 進藤三千代 平成18年9月
野茨が音たてて咲く石かまど 文野 好子 平成18年8月
葉桜やサドルを前へすべり勝ち 坂口 周 平成18年8月
自転車のブレーキ甘し栗の花 進藤三千代 平成18年8月
花合歓やブリキのおもちゃの博物館 竹下由里子 平成17年11月
宮城の道灌堀や布袋草 三島 章子 平成17年11月
枇杷たわわ木戸の傾ぎし異人館 鈴木 茂実 平成17年10月
息災の握手は両手若葉風 加藤 幸子 平成17年9月
退職の思い出多し枇杷の種 村田 悦子 平成17年9月
柿若葉奉納瓦に署名する 米山 成男 平成17年8月
葉桜やレスキュー隊の昼休み 小川 文子 平成17年8月
葉桜や到来物のように船 植田 信子 平成17年7月
烏瓜の花の時間に電話する 小川 紫翠 平成17年1月
青桐や学園都市のレストラン 倉持 淑子 平成16年10月
のら猫の抜道美容柳かな 横山 洋子 平成16年10月
花うつぎ明神下のとんかつ屋 太田 鈴子 平成16年10月
胡桃の花幼児サイズのレオタード 鈴木 令子 平成16年9月
新緑やまたうどん屋の定休日 出 日 人 平成16年8月
葉桜や今朝捨てられし冷蔵庫 石田 剛 平成16年8月
空席に置かれて傷みだすメロン 横山 久香 平成16年1月
素通りの四人に開く蓮の花 伊藤 保子 平成15年12月
スレートの工場に沿ひし夾竹桃 竹中小夜子 平成15年11月
万緑や砂鉄の付いている磁石 竹下由里子 平成15年10月
半夏咲くや如雨露の首の見当たらず 新井  裕 平成15年9月
万緑や鶏のいる田原坂 田村竹次郎 平成15年9月
あくびして二階から十薬を見る 井上美智子 平成15年9月
葉ざくらや砲身に似し消火栓 井出 栄子 平成15年8月
桐の花雨の見えずに傘のゆく 袴田比朗士 平成15年8月
夫多弁月下美人を食べてきし 大西みどり 平成15年2月
向日葵の影が伸びきて焦げくさし 石田 剛 平成14年12月
さるすべりカーブ大きく曲がりけり 出 日 人 平成14年11月
草合歓や直線裁ちの幼児服 猿田 恭子 平成14年11月
昼顔や水飲んで骨歩き去る 水田雅吉子 平成14年11月
さくらんぼ洗ふや水を渦にして 結城冨美子 平成14年10月
紫陽花やフェンスに家族分の傘 猿田 恭子 平成14年10月
向日葵の畑の中に救急車 岸本 静代 平成14年10月
黴の書の妹が袖ふる峠かな 坂本 宣子 平成14年10月
夫と酌む五箇山の酒夜の新樹 今井 紋子 平成14年9月
ひつじ草折り重なってくる睡魔 東  霊女 平成14年9月
葉桜や女子寮前の小間物屋 江村 博子 平成14年8月
葉桜やどんぶりにふたして帰る 水田雅吉子 平成14年8月
葉ざくらや宿のスリッパほころびて 東  霊女 平成14年8月
花梯梧サァーファーのいるラーメン屋 田村竹次郎 平成13年11月
除虫菊まだ乾かないバスマット 竹下由里子 平成13年11月
柿の花鎌研ぐ桶のにごり水 今井 紋子 平成13年10月
鮒鮓や湖国をつつむ若葉雨 今井 紋子 平成13年10月
ピーマンや急にお腹が空くような 岸本 静代 平成13年10月
カンパニラ活けて夕星近くせり 四方 花紅 平成13年9月
向日葵に凭れ重たいシャツになる 石田 剛 平成12年11月
夏萩や消しゴムいつも愉快なり 進藤三千代 平成12年11月
赤ん坊に耳生えており蓮の花 大西 昇月 平成12年11月
賴朝に事なき日々の濃あじさい 植田 信 平成12年10月
蕗を煮てちょっと出てみる屋根の上 井上美智子 平成12年9月
葉ざくらや雨の新聞休刊日 井出 栄子 平成12年9月
割箸の匂いほのかに余花の雨 岡田勢津子 平成12年8月
ぼうたんに風の溜りや世襲の王 植田 信子 平成12年8月
練習のブラスバンドやトマト熟れ 大西 史子 平成11年11月
箒木に隠れし母を待つ日暮 三島 章子 平成11年11月
車前草の花電柱にかすり傷 中村 子鶯 平成11年11月
花みかん入江の舟の定期券 志水 つい 平成11年10月
二人乗りして緑蔭へ倒れ込む 江村 博子 平成11年9月
夏草や逆立ち禁止の立看板 小倉 喜郎 平成11年9月
文字摺草や端に疵ある新聞紙 松橋紀代二 平成11年9月
つじつまが少しも合わず藤の房 田渕夜州子 平成11年8月
葉桜や砂にまみれた爪楊枝 津嘉山 宏 平成11年8月
「てにをは」も恋も難儀や百日紅 安田 循子 平成10年10月
どくだみや赤ちゃんの尻そっと嗅ぐ 岩本 康代 平成10年10月
丘の上の歌う学校草いきれ 水田雅吉子 平成10年10月
花みかん鐘ふたつ鳴るのど自慢 竹下由里子 平成10年9月
葉桜やお知らせのなき掲示板 鯨井 孝一 平成10年9月
花またたび貴船の宿の梯子段 山崎冨美子 平成10年9月
新緑や市営プールの窓広し 竹下由里子 平成10年8月
白墨に力こもるや松の芯 小島こつる 平成10年8月
ふるさとやわが自害後のさくらんぼ 植田 信子 平成10年8月
眼帯のガーゼの厚み夜の新樹 金子八重子 平成10年8月
サルビアよこちらマイクのテスト中 石塚さくら 平成9年12月
韮の花家の近くに勤め先 鯨井 孝一 平成9年12月
のうぜんや妻の客来て妻おらず 松橋紀代二 平成9年10月
若みどり白紙で結ぶ巫女の髪 木村美智子 平成9年10月
生ひたちのずっと向ふの草いきれ 岡田勢津子 平成9年10月
「サザエさん」全巻揃う茄子の花 山内 宜子 平成9年9月
筍を炊きたる湿り太柱 山崎冨美子 平成9年8月
火事場あと南瓜一株花ざかり 中村 弘子 平成8年12月
麒麟のページ開いてありぬ夏木立 大西 昇月 平成8年12月
百年の枕の途中枇杷の種 岡田美佐枝 平成8年10月
スケジュールすっぽり空きぬ合歓の午後 篠崎 睦美 平成8年10月
老人のジャン拳ゲーム合歓の花 小山千江子 平成8年10月
団子坂方面出口花柘榴 小川 紫翠 平成8年10月
紫陽花のまだ葉ばかりの明るさよ 竹内ゆり子 平成8年9月
桐の花まだ点りいる「手術中」 古賀 知恵 平成8年9月
二日酔い筍大きくなっていし 長尾ただみ 平成8年9月
旅に居て吾が家の便器葉のさくら 袴田比朗士 平成8年8月
向日葵やえんぴつ書きの家を消す 木村美智子 平成7年12月
青年はセロリのごとし滝とどろ 竹下由里子 平成7年10月
葦芽や夜明けに似たる櫂の水 木村美智子 平成7年10月
しゃっくりと共に巡るや牡丹園 竹下由里子 平成7年9月
硯洗ひ汚す指さき柿若葉 奥野 文子 平成7年9月
夏草の匂いがよぎる赤ん坊 植田 信子 平成7年8月

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