作 品 作 者 玄鳥掲載

明日発たす銀の折鶴朧月 岡部 栄一 平成24年5月
どこからも見える十字架鳥曇 岡部 栄一 平成24年5月
頬杖のなかの暗がり春の雪 岡部 栄一 平成24年4月
竹筒の底のビー玉朧の夜 岡部 栄一 平成23年5月
鳥雲に長押の額の角隠し 岡部 栄一 平成23年4月
かぎろひの沖へ沖へと三輪車 岡部 栄一 平成23年4月
手に肩に一つは口に春の雪 岡部 栄一 平成23年4月
朧夜やけんけんの行く裏通り 岡部 栄一 平成22年5月
人来れば灯る外灯涅槃西風 岡部 栄一 平成22年5月
右足に湿りを覚ゆ涅槃西風 岡部 栄一 平成21年4月
花冷えや非常口から床モップ 岡部 栄一 平成20年5月
店じまいの葉書一枚鳥曇 岡部 栄一 平成20年5月
霾や紀貫之のみをつくし 岡部 栄一 平成20年5月
「坊ちゃん」が行方知れずに花の雨 岡部 栄一 平成19年5月
少年や海市の中に隠し部屋 岡部 栄一 平成19年5月
天丼や春の雪降る法善寺 岡部 栄一 平成18年4月
まごの手の届かぬところ春の雲 岡部 栄一 平成18年3月
養花天二階は兄の鼾かな 岡部 栄一 平成14年5月
菜種梅雨少し離れて夫の席 岡部 栄一 平成8年9月
朧夜やちょっとそこ迄舌出しに 岡部 栄一 平成7年8月

朧夜の蒼い水底負い紐 土肥 幸弘 平成21年6月
浮世絵の小さな指や春の雨 土肥 幸弘 平成21年6月
輪ゴム切れし手紙の束や霾ぐもり 土肥 幸弘 平成21年4月
戴星のまばたく睫毛春の月 土肥 幸弘 平成21年4月
網打場の上に立ちたるかひやぐら 土肥 幸弘 平成20年4月
餞別の額が決まらず鳥曇 土肥 幸弘 平成19年4月
乗れさうもなき体型や春の雲 土肥 幸弘 平成19年4月
関ケ原にて十分おくれ春の雪 土肥 幸弘 平成19年3月
陸に在ればかげろへる船沖へ出す 土肥 幸弘 平成17年4月
ステッキは傘にはならず春しぐれ 土肥 幸弘 平成16年6月
春光や触れなば狂れむ狐石 土肥 幸弘 平成16年5月
採血の腕伸しをり花の雨 土肥 幸弘 平成15年6月
火薬庫に赤旗見えて霾ぐもり 土肥 幸弘 平成15年5月
学校のピアノの好きな春埃 土肥 幸弘 平成14年6月
屋根の上に坐礁の湯舟春の星 土肥 幸弘 平成14年4月
陰陽の土器に春光酒飲まな 土肥 幸弘 平成13年5月
畳屋に畳のにほひ春の雪 土肥 幸弘 平成13年4月
下町の物干台の春の月 土肥 幸弘 平成12年6月
陽炎の持ちあげている団地かな 土肥 幸弘 平成11年6月
花の雨素足に靴を穿くに似て 土肥 幸弘 平成10年7月
上顎に海苔のはり付く花曇 土肥 幸弘 平成10年6月
スーパーへあなどり難き春の雪 土肥 幸弘 平成10年5月
春の雪付きしマフラー妻に貸す 土肥 幸弘 平成10年4月
体温で乾く靴下花の雨 土肥 幸弘 平成9年6月
有楽町の次は新橋春の月 土肥 幸弘 平成9年6月
押入れは昭和の匂い鳥曇 土肥 幸弘 平成9年6月
花の雨妻は納戸に小半日 土肥 幸弘 平成8年6月
逃げ水や昨日の夕餉何食べし 土肥 幸弘 平成7年9月
紙におうホテルの聖書鳥曇 土肥 幸弘 平成7年7月

朧の夜貨車黒ぐろと突きぬける 西田みつを 平成24年8月
糸遊や王昭君の玉の鞍 中島 好光 平成24年8月
鳥雲にふと甦る挙手の礼 窪本 正行 平成24年8月
観音の口元ゆるむ養花天 遠目 塚信子 平成24年7月
撫抱きて水の音聞く鳥曇 石川 暘子 平成24年6月
都府楼の石がふくらむ春の月 大内田志津 平成24年5月
髪あげてさがす髪留め花曇 横内ひとみ 平成23年7月
手つかずの更地の祠夕霞 浮谷 栄子 平成23年6月
春の雪半蔵門に行き当たる 石田 剛 平成23年6月
妹の後出しじゃんけん雲雀東風 安田 循子 平成23年6月
一山を統ぶる鐘声木の芽晴れ 渋谷 圀子 平成22年9月
春霞平城宮の鴟尾の金 森内 洋子 平成22年8月
半島の航空レーダー春の風 田ア 千草 平成22年7月
おぼろ夜や手のひらに乗る木彫仏 大賀 華文 平成22年7月
斑鳩を行くガイド旗春の風 村上 直 平成22年6月
二組で満席の店春の月 山内 宜子 平成22年6月
デパートからデパート見える春の雪 進藤三千代 平成22年5月
奈良町の湯屋の煙突別れ霜 宮下久美子 平成21年8月
遠囃子春のおぼろに家十戸 今井 芳江 平成21年8月
ガンジーの丸縁眼鏡春の虹 木村 修 平成21年7月
未来図は折線グラフ鳥ぐもり 加藤 富江 平成21年7月
貝寄風や太閤びいきの骨董屋 吉野 静 平成21年7月
まだ点のごとき爆音春霞 水田雅吉子 平成21年7月
春銀河ケーキにたらすブランデー 瀬山 賤女 平成21年6月
春の雪垂る坂道伶人町 若林 千尋 平成21年6月
春一番ジルバはフレアスカートで 小池紀代美 平成21年5月
朧夜のボンタン飴のネオンかな 宮下久美子 平成20年7月
ボールペンの太さたしかむ春の雪 岩切 恵子 平成20年6月
淡雪や就職列車の学生帽 森内 洋子 平成20年6月
虫出しの雷おはぐろの大首絵 安田 循子 平成20年5月
菜種梅雨喉につかえしアリナミン 高橋ゆきい 平成18年9月
暮れかかる白樺多き斑雪山 後藤 理勢 平成18年8月
春雨や正面に見る夫の顔 片山 宣子 平成18年8月
春の雨二階の女が気にかかる 榎本 太郎 平成18年7月
陽炎にシャツと千円札干され 小杉てる子 平成18年7月
鳥葬や試峠の春驟雨 安田 循子 平成18年7月
鳥雲にドイツ船籍着岸す 小川 文子 平成18年7月
風光る輪島の海女の握りめし 穴田美智子 平成18年6月
霾や代官山の大使館 鈴木 令子 平成18年6月
陽炎となりし汽笛や出港す 井上きくを 平成18年6月
春満月畳に飽きて椅子に飽く 鈴木 茂実 平成18年5月
春時雨ジグソーパズルのような町 鈴木 令子 平成18年5月
午后よりは雨となりけり春の雪 畑中 弘 平成18年5月
城売って暮らす写真屋春の雪 水田雅吉子 平成18年5月
春雷や人の話の腰を折る 山口 雅美 平成17年9月
サマワてふ町の日の丸霾曇り 樋口 進二 平成17年6月
箱根にてムーアの羊霞食う 坂本 宣子 平成16年9月
三角形のおとこやおんな養花天 大西 昇月 平成16年8月
トンネルをぬければ京都花の雨 坂部まきゑ 平成16年6月
演し物は狐尽しや春の雨 安田 循子 平成16年6月
春星やお稲荷さんの油揚げ 進藤三千代 平成16年5月
淡雪や満車でありし消防車 伊藤 保子 平成15年7月
先に行くはずの一人が陽炎へり 高橋 慶子 平成14年8月
はるかぜのひよこ百羽と船に乗り 井上きくを 平成14年8月
春雨の匂いを付けて猫帰る 後藤 理勢 平成14年7月
春の月なんじゃもんじゃにとどまりぬ 鈴木 茂実 平成14年6月
春時雨龍馬通りの小間物屋 西田由紀子 平成14年6月
春光やバケツにペケのガムテープ 宮川壽美子 平成14年6月
春風のペリカン便と並びけり 水田雅吉子 平成14年6月
ベランダから入れる荷物や春日和 太田 桂子 平成13年7月
春の雲歩き疲れて走りだす 久根 純司 平成13年7月
ルノアールから銀座に流れ春時雨 坂本 宣子 平成13年7月
春風の電話線見て話し中 袴田比朗士 平成13年7月
春嵐小島の一つ生け贄に 鈴木あきを 平成12年9月
春月の兎と話す長電話 鈴木あきを 平成12年8月
弁当の温みを渡す花の雨 長澤 秀花 平成11年7月
ルビ無しに読めない名前鳥曇 阪口  周 平成11年5月
カンパリソーダたった二杯の朧かな 篠崎 睦美 平成10年7月
コピー紙に余熱のありぬ春の雪 岡田勢津子 平成10年5月
焼く餅のふっと息ぬく春の雨 斉藤志げ子 平成9年6月
明日ゴミとなる子の机春の雪 宮川 恵子 平成9年5月
交番に無数の画鋲鳥曇り 東  霊女 平成8年9月
マッチ擦りし火薬の匂い菜種梅雨 倉持 祐浩 平成8年8月
橋支える水軍の島黄砂来る 樋口 翠人 平成8年6月
別々に動く十指や春の雲 宮川 恵子 平成8年5月
何代も踏みし三和土や花の雨 木村美智子 平成7年9月
春霖のスリッパでゆく畳かな 進藤三千代 平成7年6月

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