作 品 作 者 玄鳥掲載

西行を起こしにゆかむ花の昼 岡部 榮一 平成24年6月
飛火野や阿修羅の眉に降る櫻 岡部 榮一 平成24年6月
一介となりてさくらのなかにゐる 岡部 榮一 平成24年6月
花の昼少し浮きたる床柱 岡部 榮一 平成24年5月
啄木を伏せて柳の街へ出る 岡部 榮一 平成23年6月
さくらさくら卵の焼ける匂ひして 岡部 榮一 平成22年5月
露座仏の背中の窓や竹の秋 岡部 榮一 平成21年7月
桜蘂降る鶏小屋のトタン屋根 岡部 榮一 平成21年7月
コロッケのような路地裏は花の昼 岡部 榮一 平成21年6月
海に似る志功の眼鏡豆の花 岡部 榮一 平成19年8月
花の昼借りたままなる「罪と罰」 岡部 榮一 平成16年7月
修正液のような頬杖花の昼 岡部 榮一 平成14年7月
贋作のように飯食う花の昼 岡部 榮一 平成11年8月
花三分水中ポンプ全開に 岡部 榮一 平成11年7月
道化師と牧師現る花の昼 岡部 榮一 平成9年8月
ながながと飯噛んでおり花の昼 岡部 榮一 平成9年7月
手のひらの脂肪の匂い花の午後 岡部 榮一 平成8年7月

蘖に干してハンカチ真白なり 土肥 幸弘 平成21年5月
たぬきそば食う南朝の梅の里 土肥 幸弘 平成21年5月
梅の里よぎる電線電話線 土肥 幸弘 平成21年5月
源流に近き水音梅林 土肥 幸弘 平成21年5月
天網に綻びのあり柳絮ふる 土肥 幸弘 平成21年3月
菜の花の化したる蝶の湖を越ゆ 土肥 幸弘 平成20年6月
げんげ田やロディオの牛に三鬼跳ね 土肥 幸弘 平成20年5月
二人ゐて火薬の匂ひけしの花 土肥 幸弘 平成19年10月
花見ゆる部屋の時計のよく進む 土肥 幸弘 平成19年5月
象のごとき男はをらず花吹雪 土肥 幸弘 平成19年5月
インターネットより盗みたるげんげ畑 土肥 幸弘 平成18年6月
蕗の薹よと恋打ちあけるやうに言ふ 土肥 幸弘 平成18年3月
ソーサーにこぼれしコーヒー桜しべ 土肥 幸弘 平成17年6月
靴と靴下一緒にぬげし花の昼 土肥 幸弘 平成17年6月
血圧帯腕にふくらむ花の昼 土肥 幸弘 平成17年6月
毛莨またも嵌りし落し穴 土肥 幸弘 平成17年5月
鼻の穴にも美男美女あり花ふぶき 土肥 幸弘 平成17年5月
桜しべどこから掃こうかと思う 土肥 幸弘 平成16年7月
ネグリジェも彼もお下がり葱坊主 土肥 幸弘 平成16年5月
最初に来る人が恋人桃の花 土肥 幸弘 平成16年5月
落ちさうな椿を撫でてゆく遊び 土肥 幸弘 平成15年4月
炊きたてのご飯のように桜咲く 土肥 幸弘 平成14年6月
夜桜や懐炉が少しずれてゐし 土肥 幸弘 平成14年5月
へなへなのたこ焼残る夕ざくら 土肥 幸弘 平成14年5月
花ふぶき敏雄の鈴の遊びして 土肥 幸弘 平成14年5月
濁点のなき書を読めり梅の花 土肥 幸弘 平成14年5月
守唄や象の小川の蕗の薹 土肥 幸弘 平成14年4月
粥食って命養なふ朝ざくら 土肥 幸弘 平成13年6月
昼酒や背中に闌けしさしも草 土肥 幸弘 平成13年5月
人違いの耳打ちされし花の闇 土肥 幸弘 平成12年7月
空を向く砲塔海へさくら散る 土肥 幸弘 平成12年6月
消防署に新車の届く花の昼 土肥 幸弘 平成12年6月
飯粒のこぞりて立てり朝ざくら 土肥 幸弘 平成12年6月
勢いよきトイレの流れ朝ざくら 土肥 幸弘 平成12年6月
菜の花や灯の点きそめし字を置き 土肥 幸弘 平成12年5月
雄鶏の口説きてゐたりさいたづま 土肥 幸弘 平成12年4月
茎立やポテトチップスよく減りて 土肥 幸弘 平成11年6月
踏み処なし尼寺のさくら蕊 土肥 幸弘 平成11年6月
桜しべ掃くに本気となってゐし 土肥 幸弘 平成10年7月
青年は大方痩せて朝ざくら 土肥 幸弘 平成10年7月
口開けし寝首が並ぶ夜の桜 土肥 幸弘 平成10年7月
午後深き落花の浮きし溲瓶かな 土肥 幸弘 平成10年6月
花びらの付く蛸焼きのソース瓶 土肥 幸弘 平成10年6月
さくらさくら取り敢へず飯食ふて出る 土肥 幸弘 平成10年6月
髪拭きしタオルの湿り花の夜 土肥 幸弘 平成9年7月
篝火のおくれて傾しぐ花ふぶき 土肥 幸弘 平成9年7月
預かりし嬰持ちあるく花の下 土肥 幸弘 平成9年6月
平均台あれば歩きて草萌ゆる 土肥 幸弘 平成9年6月
風呂敷に箱のかさばる梅祭 土肥 幸弘 平成9年6月
自転車の尻浮かしゆくげんげ畑 土肥 幸弘 平成9年5月
紅梅に闇の来ていし蒸あなご 土肥 幸弘 平成9年5月
花屑の溜まる更地や坂の街 土肥 幸弘 平成8年6月
弟妹に花散る電車道ありき 土肥 幸弘 平成8年6月
夕ざくら肌に凹みしゴムの跡 土肥 幸弘 平成8年6月
神々に長き鼻毛や花の昼 土肥 幸弘 平成8年6月
咲く前のさくらの並木理髪店 土肥 幸弘 平成8年6月
わが留守の佛間に太る松の芯 土肥 幸弘 平成8年5月
落花つけし傘が集まる地下ホーム 土肥 幸弘 平成7年7月
退屈な花の木があり卵焼き 土肥 幸弘 平成7年7月

蒲公英の絮の半球甘えん坊 畠山 桂泉 平成24年8月
用水路の渦見てをりぬ花の昼 松谷眞佐子 平成24年8月
新樹光ホームの小さき水溜まり 竹下由里子 平成24年8月
飛び石に関守石や雪柳 植田 早苗 平成24年7月
たんぽぽの綿毛本日休診中 西田みつを 平成24年7月
亀石のまなぶた厚し鼓草 宮下久美子 平成24年7月
さくらさくらのたりと蛇行する大河 今井 紋子 平成24年7月
見上げたるさくら見下ろすさくらかな 藤川 圭子 平成24年7月
樺忌の雨呼ぶ茅花流しかな 石川 暘子 平成23年9月
捨て舟に産土の神花は葉に 俵田美惠子 平成23年8月
黙祷の海へ海へと花吹雪 藤本喜久巳 平成23年8月
散るときのきて散るさくら琵琶の琴 安田 循子 平成23年8月
主役より脇役うまし根白草 渡利 寿美 平成23年7月
長廊下磨く雲水花あせび 樋口登代子 平成23年7月
新しきノートに花の解剖図 石川 暘子 平成23年7月
椿落つ三百年の高みより 井上きくを 平成23年7月
義仲寺の目立たぬ門や蕗の薹 桝室 杏花 平成23年6月
致死量の桜蘂ふる石舞台 窪本 正行 平成22年8月
葛城の神見そなはす遅桜 安田 循子 平成22年8月
二千歩の散歩が日課豆の花 木村 修 平成22年7月
糸桜宗祇の墓の雨の筋 登坂 章一 平成22年7月
ゲーム機にコインを入れる花の昼 久野 孝子 平成22年7月
手首から時計をはずす花菜畑 開発 清二 平成22年6月
ごうごうと息ととのえて芽木の森 横山 久香 平成22年6月
松陰の大和魂梅白し 今井 匡子 平成22年5月
鶏の鳴く東の国や竹の秋 中島 好光 平成21年8月
文庫本の紐のほつれや竹の秋 高橋 慶子 平成21年8月
油の染みし五千円札竹の秋 竹下由里子 平成21年8月
兜太贔屓兜太嫌いも花の句座 藤川 圭子 平成21年8月
名ばかりの玉座吉野の花千里 新保 吉章 平成21年7月
花大根古アバートの星条旗 高橋ゆきい 平成21年7月
黄昏の魯迅の酒場長春花 畠山 桂泉 平成21年7月
ドストエフスキーの背中柳絮飛ぶ 石川 暘子 平成21年7月
ひつじ書房の棚に新刊麦青む 樋口 進二 平成21年7月
寝ころんで花の下なる小宇宙 林  芳子 平成21年7月
主婦の目に戻る吟行春キャベツ 三島 章子 平成21年7月
引鶴の立つ刻なれば鳴き満つる 窪本 正行 平成21年6月
星愛でむ花には早き飛騨の里 樋口登代子 平成21年6月
あんぱんに大き空洞春休み 加藤 幸子 平成21年6月
白蓮のノラとも違うリラの花 畠山 桂泉 平成21年5月
かたかごの花よ阿騎野は雨の中 廣岡 静子 平成21年5月
ボート部の勧誘ポスター花は葉に 伊藤 保子 平成20年9月
蒲公英の絮を弾けば父の国 村田 悦子 平成20年8月
花蘇芳柩が通る水溜り 松谷眞佐子 平成20年8月
菜の花や難波の恋の比翼塚 吉野 静 平成20年8月
制服の少しだぶつく竹の秋 今井恵津子 平成20年8月
棟方の草履の道や菫咲く 嶋崎 豊山 平成20年7月
昨日より速き水音黄水仙 山岡ゆう子 平成20年7月
花散るや河馬を数えている時間 石田 剛 平成20年7月
モノラルのエデット・ピアフ花吹雪 安田 循子 平成20年7月
前を行く妻の手の振り草青む 樋口 進二 平成20年6月
ライオンが寝返りをうつ花吹雪 井上美知子 平成19年8月
さえずりや森のどこかに石切り場 松橋紀代二 平成19年8月
弁当を忘れ妻の名忘れ花吹雪 小倉 喜郎 平成19年7月
木琴に移る指揮棒木の根明く 四方 花紅 平成19年7月
土筆摘み八ッ墓村に至りけり 安田 循子 平成19年7月
鬱金香蝶ネクタイにしませんか 若林 千尋 平成19年7月
下萌の広さに散って草野球 井上きくを 平成19年6月
みなぞこのようなさくらの夜でありぬ 横山 久香 平成19年6月
茎立やラインダンスの足の数 阪口 周 平成19年6月
まんさくや天文台の窓開く 松谷眞佐子 平成19年6月
蝋梅や屋敷稲荷のこぼれ塩 志水 つい 平成19年6月
赤ん坊の泣き声止まず梅三分 早苗なみ子 平成19年4月
ニューヨークに薺はこべらあるかしら 岩切 恵子 平成19年4月
トラピスト育ち結球花キャベツ 本岡 敬子 平成19年3月
成績は中くらいなり豆の花 浅村恵美子 平成18年8月
ララバイや桜吹雪の夜のテロ 安田 循子 平成18年8月
四散するたんぽぽの絮多佳子集 紀平 節子 平成18年8月
桜蕊ふる陸軍の飛行場 米山 成男 平成18年7月
スポンジの馴染むキッチン花大根 古瀬 房江 平成18年7月
疾風や梅林不意にリボンめく 竹下由里子 平成18年7月
死ぬ力残して花の世を歩く 長澤 秀花 平成18年7月
菜の花や東京ドーム百個分 鈴木 弘子 平成18年6月
まんさくやリリヤン編みに日が暮れて 安田 循子 平成18年6月
紅しょうが色の赤紙蓬摘む 進藤三千代 平成18年6月
呼び合って水仙の芽の出でにけり 桑島 國 平成18年5月
切れ電球ふってたしかむ竹の秋 鈴木あきを 平成17年10月
乙羽信子によく似し羅漢すみれ草 鈴木 令子 平成17年8月
お向いの子犬が増える竹の秋 高橋 慶子 平成17年8月
蘖やサドルが少し高すぎる 林  芳子 平成17年8月
俳句ノートに料理のレシピ葱の花 竹下由里子 平成17年8月
天明の銘の石仏竹の秋 小川 紫翠 平成17年8月
梅一輪没日をのぞむレストラン 太田千代子 平成17年7月
校長の防犯腕章朝桜 米山 成男 平成17年7月
学校のしだれ桜や「写るんです」 瀬山 賎女 平成17年7月
弾丸になりそこなった花の鐘 榎本 太郎 平成17年7月
土筆摘む雄略帝の宮の址 安田 循子 平成17年7月
ほめられて風の貌する花辛夷 島倉 春美 平成17年7月
ユリウスと風に呼ばれむ金鳳花 水田雅吉子 平成17年7月
白藤へ巫女が鎖を跨ぎけり 進藤三千代 平成17年7月
桃の花モップが外で乾いてる 出 日 人 平成17年6月
下萌や新卒らしき厩務員 鈴木 令子 平成17年6月
梅ほころび急須の蓋の転がりぬ 松谷眞佐子 平成17年6月
翔ぶものに迫る暮色や花うばら 平野 桂 平成16年8月
ポケットにいささかの銭夕桜 跡治 順子 平成16年8月
蘖やソースの匂う包装紙 林  芳子 平成16年7月
人形の足の繃帯さくら咲く 熊田ひとし 平成16年7月
駅へ散り込むさくらや谷中御殿坂 倉持 祐浩 平成16年7月
堅香子や娘の恋にときめいて 西田由紀子 平成16年6月
青麦や上総は山の低き国 田村竹次郎 平成16年6月
眠ったまま秤られる嬰シクラメン 跡治 順子 平成16年6月
つまようじに芽が吹いており村の衆 大西 昇月 平成16年6月
爪剪った十指を膝に梅日和 山崎冨美子 平成16年6月
鉄工所もぺんぺん草も日曜日 古村 寛子 平成15年8月
噴煙は雲に届けり花辛夷 杉山 幸人 平成15年7月
海見える場所まで土筆到着す 石田 剛 平成15年7月
暮れ方の人ぶらさがる桜かな 安田 循子 平成15年7月
まんさくや古美術商の指長き 竹下由里子 平成15年7月
消火栓備へてありぬ梅林 鎌坂 銀狼 平成15年6月
下萌えや身長計に足の形  難波 瑞穂 平成15年6月
くり返す早口言葉芽木の森 和田恵美子 平成14年8月
途中から電車は地下へ花の昼 阪口 周 平成14年8月
花大根名入りのタオルたまりをり 竹下由里子 平成14年8月
蘖や鞄の中で電話鳴る 志水 つい 平成14年8月
心中の夢見し朝の桜かな 植田 信子 平成14年7月
牛舎から競馬中継花の昼 石井 勝美 平成14年7月
体内に鎖骨・恥骨やさくらちる 坂本 宣子 平成14年7月
ぜんまいが出て指切りを思い出す 山崎冨美子 平成14年7月
少年の持たされている桜草  志水 つい 平成14年6月
山の端に昼の月あり蕗のとう 竹中小夜子 平成14年5月
母子草顔見えてゐる糸電話 加藤 幸子 平成14年5月
一日をダリの時計でシネラリア 若林 千尋 平成13年9月
葱坊主夕陽の端に子供達 井上きくを 平成13年9月
さくらより戻りし夜の畳かな 木村美智子 平成13年9月
ネクタイを選んで渡す朝桜  広瀬 弘子 平成13年8月
ホッチキスのような科白や花辛夷 若林 千尋 平成13年8月
文書課に廃棄の書類楠芽吹く 井出 栄子 平成13年8月
花ざくら団十郎の死絵かな 安田 循子 平成13年7月
花吹雪修司の海馬疾走す 安田 循子 平成13年6月
オルガンの音より現れし桃畑 植田 信子 平成13年6月
点ほどの梅の花芽や人の声 大濱 昭彦 平成13年4月
花水木汽車くるまでの恋気分 澤井 美鈴 平成12年9月
修験者や葛城の尾根つつじ燃ゆ 仲谷 敏男 平成12年9月
ブランデー・シュガーの炎夕桜 阪口 周 平成12年9月
等間隔に脳を並べる花の昼 小倉 喜郎 平成12年8月
再会やリラの花咲く帯しめて 辻  町子 平成12年8月
子が摘んだ八頭身のつくしんぼ 酒井 美智 平成12年8月
一句得て一句忘るる花の宿 安井 史朗 平成12年8月
まんさくや伊賀によしみの黒焼屋 本岡 敬子 平成12年7月
寝違って回らない首葱坊主 阪口 周 平成12年7月
犬小屋が考えている花の昼 竹下由里子 平成12年7月
桃の花姉のでてくるけんかかな 伊藤 保子 平成12年7月
電話かけて電話探せり松の花 水田雅吉子 平成12年7月
朝ざくら暮らしの匂ひして祇園 袴田比朗士 平成12年7月
梅三分海の匂いの散髪屋 志水 つい 平成12年7月
真向いに防災倉庫草萌ゆる 吉野 貞子 平成12年6月
イミダスの本年度版猫柳 灰原美奈子 平成12年6月
十戒のはじめの方に蕗の薹 大西 昇月 平成12年6月
アネモネやモノクロームの恋心 猿田 恭子 平成12年5月
抱いた子の靴持ち歩く梅の里 吉野 静 平成12年5月
お性根を抜かれし墓石竹の秋 阪口 周 平成11年9月
さくら蕊おととい切れし定期券 竹下由里子 平成11年8月
学徒兵の手紙四ツ葉のクローバー 倉持 淑子 平成11年8月
這いずってピアスを探す花の昼 山田 京 平成11年7月
洛東のキリシタン墓碑花杏 安田 循子 平成11年7月
飛ぶように孫の手が売れさくら山 進藤三千代 平成11年7月
花満開正面に立つ畳かな 井上美智子 平成11年7月
肩に落花敵は幾人ありとても 岡田 珠絵 平成11年7月
茎立やモーツアルトがよく狂う 植田 信子 平成11年6月
脱ぐシャツの中に湿り気ふきのとう 坂本 宣子 平成11年6月
梅咲くや来しレストラン準備中 袴田比朗士 平成11年5月
考えのなかに紅梅咲きそめし 横山 冬都 平成11年5月
退院や雨の山藤見て帰る 石原 芳子 平成10年8月
茎立や紙幣の裏の走り書き 篠崎 睦美 平成10年8月
ジーンズのヒップは高し葱坊主 井上きくを 平成10年8月
シーフードをレタスで包む花の昼 桝室 杏花 平成10年7月
落花浴ぶ貴方のにおい消えるまで 澤井 美鈴 平成10年7月
茎立ちや男の足が見えかくれ 窪田 記与 平成10年7月
はばかりの掃き出し小窓竹の秋 本岡 敬子 平成10年7月
白き箱の中かとおもう花に居て 大西 史子 平成10年7月
空き室に二股電灯花の午後 井上美智子 平成10年7月
学校の丘に目覚めて花の墓 岡田美佐枝 平成10年7月
理髪師の愛想よくて桃の花 岡田勢津子 平成10年7月
キッチンに集まる笑い桃の花 小川 昭子 平成10年6月
菓子盆の木目の流れ梅の昼 坂部まきゑ 平成10年5月
花の昼シャツずたずたに切ることも 池本キク子 平成9年8月
蒲公英や犬三匹が越してくる 宮川壽美子 平成9年8月
首入れて甕磨きけり苜蓿 木村美智子 平成9年8月
たんぽぽの黄に近く居て昼の酒 岡田美佐枝 平成9年8月
川沿いに家川ぞいの遅ざくら 志水 つい 平成9年8月
ものの芽や手と足見える乳母車 兼平 栄 平成9年7月
園児らの裸マラソン花こぶし 石井 勝美 平成9年7月
継ぎ足しのホームいち面花なずな 跡治 順子 平成9年7月
辻一つ間違えいたり竹の秋 岡田勢津子 平成9年7月
花馬酔木ベルもう一度押してみる 篠崎 睦美 平成9年6月
梅の駅エスカレーター工事中 鯨井 孝一 平成9年6月
米洗う素足のマリア下萌える 進藤三千代 平成9年6月
葱坊主ここにゐること腑におちず 袴田比朗士 平成9年6月
雪柳子供のズック靴を買う 袴田ゆうほ 平成9年5月
ねぎ坊主ブラジャーの紐触れている 中村 子鶯 平成8年12月
アドバルーンたんぽぽ色の風にのる 高野 浪子 平成8年8月
畳屋に水たっぷりと朝桜 池本キク子 平成8年8月
花の山人の時間ともみ合えり 長  星花 平成8年7月
土筆野を真空管が歩いている 海老原 泰 平成8年7月
にわとりに昼の月見えうまごやし 植田 信子 平成8年7月
手拭いの八方桃の花盛り 井上美智子 平成8年7月
電車にも汽笛がありぬ花の昼 進藤三千代 平成8年7月
鶏が片脚で立つさくらかな 坂本 宣子 平成8年7月
白椿百数えたら覚めてよね 跡治 順子 平成8年7月
尼寺にキンダーブック山椒の芽 河内千保子 平成8年7月
茎立や洗面棚に瓶ふえる 佐藤 宗雄 平成8年6月
落椿ひろって詰めるハイヒール 進藤三千代 平成8年6月
若鶏の背筋ふり向く梅日和 袴田 平成8年6月
や潮の道から来る椿 岡田美佐枝 平成8年5月
瓦斯展に行きシクラメン見て来たり 内山 昭子 平成8年4月
考える耳が歩みぬ松の芯 石塚さくら 平成7年10月
棒のあたま叩きすぎたり葱の花 熊田ひとし 平成7年9月
ネクタイにひと日の疲れ松の芯 坂本 宣子 平成7年9月
ほどきたる着物を抱けば藤の花 池本喜久子 平成7年8月
花ふぶき動物園の水たまり 上野 菊女 平成7年8月
拝観に昼休みあり竹の秋 井上きくを 平成7年8月
小鼠の処置まかされし花の昼 熊田ひとし 平成7年8月
洗い場の四隅が乾く花の昼 坂本 宣子 平成7年8月
まだぬくみ残る喪服や芽木の雨 岡田勢津子 平成7年8月
酒瓶に生国があり花の山 長澤 秀花 平成7年7月
鉄棒の子にさかさまの花の空 木花 昌子 平成7年7月
たんぽぽや本気を出して児と走る 鈴木 やす 平成7年7月
下萌えや汽車うき上る遊園地 幣 ふじの 平成7年7月
タクシーに指図している花の道 宗光 永治 平成7年7月
茎立ちやべたべた貼らる顔写真 石井 勝美 平成7年7月
誰れも知らない菜の花畑の墜落機 進藤三千代 平成7年7月
白壁に拘るごとく散る桜 野末 峯男 平成7年7月
花明かり家康の着た陣羽織 岡田 珠絵 平成7年7月
落ちそうな釦をちぎる花の下 吉野 貞子 平成7年7月
花に子が消えて現われ滑り台 袴田比朗士 平成7年7月
梅を見る人を見ているベンチかな 竹内ゆき子 平成7年6月
合せ鏡に土筆が生えてくるねぐら 長澤 秀花 平成7年6月
胸中に父の格言梅香る 平山志津江 平成7年5月

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