作 品 作 者 玄鳥掲載

亀鳴くや鉄の匂ひの夕暮れに 岡部 榮一 平成23年5月
鈴鳴らし花街走る恋の猫 岡部 榮一 平成23年4月
膨らますハリスのガムや鳥雲に 岡部 榮一 平成22年5月
広辞苑の逆引き検索地虫出づ 岡部 榮一 平成22年5月
そもそもはゴロと鳴く猫春の闇 岡部 榮一 平成21年4月
どん底てふ洋酒の酒場鳥雲に 岡部 榮一 平成20年6月
亀鳴かす゜なりて久しやあられ酒 岡部 榮一 平成20年6月
亀鳴くや瓶逆さまにしておけば 岡部 榮一 平成20年5月
鳥雲に約束の樹が燃えていし 岡部 榮一 平成15年6月
少年に漫画の国の亀鳴けり 岡部 榮一 平成10年9月

蠅生れしは昭和の御代の野の屍 土肥 幸弘 平成21年6月
鳥雲にグラスの中の水が減り 土肥 幸弘 平成21年4月
ゆんべ鳴きし理科室の亀失踪す 土肥 幸弘 平成21年4月
踏まれしも踏みしもころぶ子猫かな 土肥 幸弘 平成21年3月
春の蚊の来て翳生るる吉野紙 土肥 幸弘 平成21年3月
鳥雲にわれは便器に座してあり 土肥 幸弘 平成20年4月
つばめ印の大箱燐寸鳥雲に 土肥 幸弘 平成20年4月
蝌蚪の水吐きて人形息絶えぬ 土肥 幸弘 平成20年3月
酒はまだかわが腹中に田螺鳴く 土肥 幸弘 平成19年6月
あらぬ声出す歳でなし恋の猫 土肥 幸弘 平成19年6月
オルガンを漕げば沖見ゆ鳥雲に 土肥 幸弘 平成19年5月
鳥帰るビルの階段折れ曲り 土肥 幸弘 平成19年5月
掃除機に吸はれさうなる子猫かな 土肥 幸弘 平成19年4月
蛤となりし雀を鳴かせけり 土肥 幸弘 平成18年6月
鷹は鳩に横になりたき大鳥居 土肥 幸弘 平成18年6月
明朝体の歳時記の亀鳴かざりし 土肥 幸弘 平成18年6月
恋の猫足跡湖に消えてゐし 土肥 幸弘 平成18年5月
祇王寺の屋根に移りし猫の恋 土肥 幸弘 平成18年5月
疲れ寝の顔の幼なき猫の妻 土肥 幸弘 平成18年5月
舟で着く浅利厨の湯気ゆたか 土肥 幸弘 平成18年4月
蜷の道補聴器右に差し変える 土肥 幸弘 平成18年4月
蛇穴を出て確かむる右左 土肥 幸弘 平成18年3月
亀鳴くやあす早立ちのご本陣 土肥 幸弘 平成17年5月
亀鳴けり襖をたてし小姓部屋 土肥 幸弘 平成17年5月
頭数そろふ西口地虫出 土肥 幸弘 平成17年5月
やどかりのかしこまりたるハイヒール 土肥 幸弘 平成16年9月
蝌蚪泳ぐ善男善女の岸めざし 土肥 幸弘 平成16年7月
穴を出し蛇に予定のあるごとし 土肥 幸弘 平成16年6月
立食ひの帝国ホテル焼栄螺 土肥 幸弘 平成16年5月
掃除機に太きしっぽを立て仔猫 土肥 幸弘 平成16年4月
囀りや凭れくる木を押し返へす 土肥 幸弘 平成14年6月
すぐに来る日替り定食鳥雲に 土肥 幸弘 平成14年5月
胴体の後れて着きし猫の恋 土肥 幸弘 平成14年5月
猫の恋火気厳禁の工事札 土肥 幸弘 平成14年5月
地虫出てすぐに食はれてしまひたる 土肥 幸弘 平成14年4月
鳥帰る妻は三越より帰る 土肥 幸弘 平成14年6月
海峡を来し散髪の椅子と蝶 土肥 幸弘 平成14年6月
春の蛇空気のほかはまだ食べず 土肥 幸弘 平成14年6月
きこきことシャンプー押せば鳥雲に 土肥 幸弘 平成14年5月
初蝶や紙箱に孔あけてをり 土肥 幸弘 平成14年4月
蟻穴を出るやとび付く午後の影 土肥 幸弘 平成13年6月
単色のロシアの切手鳥帰る 土肥 幸弘 平成13年5月
蠅生れわがステーキを襲ひたる 土肥 幸弘 平成13年5月
新橋から銀座へはしご春鴉 土肥 幸弘 平成12年7月
神々は多産系なり蝌蚪の紐 土肥 幸弘 平成12年5月
佃煮となりし田螺の連れが鳴く 土肥 幸弘 平成12年5月
老いし象に現地妻あり鳥雲に 土肥 幸弘 平成12年4月
ゆんべ鳴きし田螺肴に昼の酒 土肥 幸弘 平成11年6月
瓦礫を来る片目つぶれし恋の猫 土肥 幸弘 平成11年6月
蝿生れ「叫び」の口に集りゐし 土肥 幸弘 平成11年5月
お手玉に恋の猫とも思はれず 土肥 幸弘 平成11年5月
ワシコフ邸ゆトアロードへ猫の恋 土肥 幸弘 平成11年4月
春の蚊と言へど土佐國生れかな 土肥 幸弘 平成10年6月
蜷の道覗くに肩をつかまれし 土肥 幸弘 平成10年6月
屋根に残る防水シート鳥雲に 土肥 幸弘 平成10年5月
ガードマンのコールマン髭地虫出づ 土肥 幸弘 平成10年5月
ゆび跡の凹む庭下駄地虫出づ 土肥 幸弘 平成10年5月
りや転居のベッド宙吊りに 土肥 幸弘 平成10年5月
やどかりとなる腕時計妻ねむる 土肥 幸弘 平成8年7月
新聞紙束ねておりぬ鳥雲に 土肥 幸弘 平成8年5月
週刊新潮の表紙のなかに亀鳴けり 土肥 幸弘 平成8年4月

蝌蚪にまだ手足の見えず能登半島 石田  平成24年10月
みちのくの長き渚や鳥帰る 俵田美惠子 平成24年7月
大磯の黒松並木鳥帰る 紀平 吉勝 平成24年7月
引鴨やベンチの残る節の穴 畠山 桂泉 平成24年6月
海よりの距離表示柱鳥雲に 今井 紋子 平成24年6月
詰め襟のズボンの折り目つばくらめ 橘 辰男 平成23年8月
引越しの表札跡や遠蛙 阪口 周 平成23年7月
百枚の鏡胡蝶の抜けてきし 山内 宜子 平成23年7月
山姥の産湯のあとに蝌蚪生まる 竹下 貞夫 平成23年6月
亀鳴けり椅子を逆さに昼酒場 鈴木あきを 平成23年6月
軍艦三笠のデッキブラシや鳥雲に 伊藤 保子 平成23年6月
松本楼の古きピアノや鳥雲に 太田 鈴子 平成23年6月
海燕鉄路の沈む造船所 小川 文子 平成22年9月
百千鳥心地よき夢解きに来る 加藤 幸子 平成22年8月
ゆきずりに籠の栄螺の蓋つつく 今井 紋子 平成22年8月
初蝶にすぐ夕暮れの来てしまう 石川 暘子 平成22年7月
四つ手網白魚待つ間の煙草かな 田本みゆき 平成22年7月
酒蔵のこしき倒しや雁帰る 溝端 文二 平成22年6月
深川や不動参りの浅蜊飯 加藤 幸子 平成22年6月
白鳥帰る水輪届きあい丸木舟 四方 花紅 平成22年6月
江の島の多き抜け道初つばめ 富田みさ子 平成21年8月
ラジオからサッチモの歌地虫出づ 木村  平成21年6月
板一枚はずれし小屋や干鰈 松谷眞佐子 平成21年6月
宝塚の大階段や地虫出づ 竹下由里子 平成21年6月
日本海背に蜆売る漁師妻 木村 和芳 平成20年8月
百千鳥かまどでパンを焼く匂い 林  芳子 平成20年7月
包丁の刃に指の腹鳥雲に 跡治 順子 平成20年7月
恋猫や三連休の町工場 水本 節子 平成20年6月
クーポンの嵩張る財布つばくらめ 後藤 理勢 平成20年6月
あなにやしおんどり春は疾走す 石田 剛 平成20年6月
夕つばめどの家からも水流れ 堀井 国乃 平成19年10月
墜ちてきた子雀戻す大脚立 澤谷 文代 平成19年9月
生き過ぎて居るではないか牛蛙 石田 剛 平成19年9月
長椅子の戻らぬへこみ鳥雲に 橘高 辰男 平成19年8月
鳥雲に梯子はずされ窓のこる 水田雅吉子 平成19年8月
剃り落す髭白鳥が帰るなり 窪本 正行 平成19年6月
アコーデオン沈み失神の桜鯛 小倉 喜郎 平成19年6月
もの書きに寝ぐせ一日つばくらめ 水田雅吉子 平成19年6月
居留地の地下のビストロ恋の猫 鈴木 令子 平成19年5月
鶯を聴きつつ登る天守閣 中野 誠子 平成18年7月
亀鳴くや介護士母を裏返す 米山 成男 平成18年6月
良く切れる菜切り包丁猫の恋 大倉 操 平成18年6月
駐車場のセンサーライト猫の恋 小川 文子 平成18年6月
洞門にひとすじの日矢岩つばめ 米山 成男 平成17年11月
囀りや外国人が越して来し 小杉てる子 平成17年9月
軍楽やわたくし雨を燕飛ぶ 進藤三千代 平成17年9月
鶯や太極拳の息遣ひ 小佐野祐一 平成17年8月
蛇穴を出て恋人に出くわせり 瀬山 賤女 平成17年8月
昃りてうつつに戻る春の猫 横山 冬都 平成17年7月
鳥雲に遠目の癖の老漁師 なぎのみつを 平成17年6月
さえずりや泡の残りし哺乳瓶 豊田 幸枝 平成17年6月
草舐めて心もとなき恋の猫 岡田 珠絵 平成17年6月
鶯を聞くにタバコをくわえたる 袴田比朗士 平成17年5月
田の泥を少し失敬つばくらめ 梅田 恵子 平成16年11月
片仮名に濁点つけて恋の猫 八木 風衣 平成16年8月
貰はれる仔猫の軽さ手に残る 井上きくを 平成16年8月
質蔵の窓の金網蝿生まる 太田 鈴子 平成16年8月
鳥雲に足首しろき僧よぎる 志水 つい 平成16年8月
出て行けと言ってはみても囀りぬ 後藤 理勢 平成16年7月
割算の小数点以下地虫出づ 阪口 周 平成16年7月
牛乳の膜貌鳥の鳴いてきし 進藤三千代 平成16年7月
千駄木の路地奥の家地虫出づ 鈴木 令子 平成16年5月
万葉に詠まれし池や乗っ込める 長谷川純彦 平成15年8月
躾すみし猫の子供をもらいけり 田村竹次郎 平成15年8月
砲撃の標的の山囀れり 八木 風衣 平成15年8月
蝶々に喰べられてゐる二人連れ 植田 信子 平成15年8月
十円玉ひとつもなくて燕来る 水田雅吉子 平成15年8月
大ぶりの浅蜊あふれるスパゲティー 出 日 人 平成15年7月
敷わらを替える鶏小舎地虫出づ 盛 みち子 平成15年6月
鷹鳩と化す奈良町を歩きけり 安田 循子 平成15年6月
ゆく雁やおはぎの裏の白いとこ 水田雅吉子 平成15年6月
鶴帰るはがねのごとく晴れ渡り 横山 冬都 平成15年6月
木札下がるマスターキーや恋の猫 岡田 珠絵 平成15年6月
朝市のおわりしあとの浅蜊篭 志水 つい 平成14年10月
さえずりや百葉箱に小さき鍵 今井 紋子 平成14年7月
餌運ぶつばめの胸の汚れかな 志水 つい 平成14年7月
若鮎や声が散らばる体育館 兼平 栄 平成14年6月
日中の舗装道路を春の猫 袴田比朗士 平成14年6月
猫の恋火気厳禁の倉庫前 古橋 茂一 平成14年4月
囀や四年一組逆立ちす 瀬山 賤女 平成13年8月
囀や厨のすみに薬箱 今井 紋子 平成13年8月
猫の恋力士の臀の吹出物 鈴木 令子 平成13年7月
天国に飽きし神から囀れり 岡田美佐枝 平成13年7月
低音のアナウンサーや猫の恋 浮谷 栄子 平成13年6月
砂時計の上がからっぽ鳥交る 水田雅吉子 平成13年5月
亀鳴くや或は父の独り言 木村 理勢 平成12年8月
田螺鳴く一夜は母に添寝して 若林 千尋 平成12年7月
恋猫やベッドの下の繻子の沓 安田 循子 平成12年6月
恋猫をなだめてめしに遅れたる 本岡 敬子 平成12年6月
頬杖のがくっと外れ地虫出づ 林  千文 平成12年6月
尾道の瓦屋根から春の猫 水田雅吉子 平成12年5月
まだ鳴かぬお大師さまで買いし亀 木村美智子 平成11年9月
雲雀墜つ雨がきそうな番外地 石田  剛 平成11年8月
ずらしてはずす小包の紐蝶の昼 志水 つい 平成11年8月
停電に近所が集う夕蛙 阪口 周 平成10年9月
コンクリートまだ生乾き猫の恋 下野 栄子 平成10年7月
亀鳴く…と洗う石鹸箱の底 水田雅吉子 平成10年7月
囀や豪華客船視野に入る 藤川 圭子 平成10年7月
神主の遅参ともあれ蝌蚪生まる 水田雅吉子 平成10年6月
上の階からシーツ垂れ猫の恋 小川 文子 平成10年6月
下町や猫の数だけ猫の恋 猿田 恭子 平成9年8月
や机の上に乾電池 坂本 宣子 平成9年7月
ぶらんこのまだ濡れており鳥の恋 山崎冨美子 平成9年7月
恋の猫難波の橋をもどりくる 紀平 節子 平成9年6月
亀鳴くや畳の上の今日が過ぎ 横山 冬都 平成8年8月
じゃんけんの後出しのごと蝌蚪散れり 本岡 敬子 平成8年7月
春の蟻西洋便器つたひくる 太田 鈴子 平成8年6月
グランドに白線一本燕来る 宮川壽美子 平成7年8月

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