作 品  作 者 玄鳥掲載

あみだ籤のような街角枇杷の花 岡部 榮一 平成24年2月
寒林を灯して我ら眠らぬ夜 岡部 榮一 平成23年3月
崇神陵の前の団子屋枇杷の花 岡部 榮一 平成23年1月
肉片に乗せる岩塩冬木の芽 岡部 榮一 平成21年3月
水垢のアフロデイテや枇杷の花 岡部 榮一 平成20年3月
謹製のような本音や枇杷の花 岡部 榮一 平成19年3月
高階に人の動きし冬木立 岡部 榮一 平成10年3月
冬木の芽交互に入れる乾電池 岡部 榮一 平成9年4月
居酒屋の椅子のひとつは枯銀杏 岡部 榮一 平成9年3月
鉛筆を持てば噛む癖石蕗の花 岡部 榮一 平成9年2月
裸木や男は膝を抱かぬもの 岡部 榮一 平成8年3月

包帯や枯木の先に海ひかり 土肥 幸弘 平成21年2月
「死んでから読む本」読んで大根焚く 土肥 幸弘 平成18年1月
妹の痩せてもどりし花八ツ手 土肥 幸弘 平成17年2月
この先に昭和断層枯葎 土肥 幸弘 平成16年4月
葱を抱くごとく女をだきしこと 土肥 幸弘 平成14年3月
大浴場の乾きしタイル石蕗の花 土肥 幸弘 平成14年2月
枯木立痒きところのあるらしき 土肥 幸弘 平成14年1月
呼び出して冬木の下の立話 土肥 幸弘 平成12年3月
悪事のごとく覗く娘の部屋冬薔薇 土肥 幸弘 平成12年3月
床の間の碁盤の厚み石蕗の花 土肥 幸弘 平成12年1月
十人に十枚の舌石蕗の花 土肥 幸弘 平成12年1月
雨戸の癖は先刻承知石蕗の花 土肥 幸弘 平成11年2月
緒の切れし下駄揃へえあり石蕗の花 土肥 幸弘 平成11年2月
列車待つ半端な時間冬紅葉 土肥 幸弘 平成9年2月
激震の記憶身にあり枯木抱く 土肥 幸弘 平成7年5月

花八ツ手貨物専用時刻表 竹下由里子 平成24年4月
やっかいな乳房の残る冬木かな 若林 千尋 平成24年4月
泥葱の白眩しくて淋しかり 新保 吉章 平成24年4月
からくりの人形が来る冬木立 松田眞喜子 平成24年3月
冬菊や壁にピカソの女の目 窪本 正行 平成24年2月
大欅の巣箱新たに正郎忌 今井 紋子 平成23年7月
淋しさはたとえば冬のはなわらび 嶋崎 豐山 平成23年4月
葱下げて輪投げの遊びみていたり 神野 多根 平成23年4月
凍裂のこだま返しに灯の揺らぐ 横山 冬都 平成23年4月
冬枯やスティック糊と喧嘩する 進藤三千代 平成23年4月
石蕗の花夫の手を借るネックレス 渡利 寿美 平成23年3月
画仙紙のうしろは曠野石蕗の花 吉畑允文枝 平成23年2月
寒椿津和野の隠れ切支丹 吉野 生江 平成22年5月
バンザイの帰らぬ兵や冬桜 嶋崎 豐山 平成22年4月
髪束ね的を射る娘や水仙花 稲葉 末江 平成22年4月
木守柿灰納屋に広告貼られおり 松谷眞佐子 平成22年3月
飛行機音の真下で葱を買う暮し 伊藤 保子 平成21年6月
バレリーナの長き首すじ冬木立 奥田 慶子 平成20年6月
山茶花のあった辺りに革命家 小倉 喜郎 平成20年5月
釈迦牟尼の晶子の句碑や冬木立 小佐野祐一 平成20年5月
寒牡丹球子が描きし尊氏像 岡田 克子 平成20年5月
若菜摘む映画の話を少しして 小倉 喜郎 平成20年4月
ひとつひらく花の真白や神還る 大坪芙美子 平成20年2月
早鞆ノ瀬戸の潮先枇杷の花 米山 成男 平成20年2月
あねいもうとの睫毛繁れる冬りんご 岩切 恵子 平成19年5月
枇杷の花丸の内にて日の暮れる 鈴木 茂実 平成19年3月
ポインセチア女房ほんとは小金持ち 水田雅吉子 平成19年2月
花八っ手ボールが落ちてくる時間 水田マンボウ 平成18年5月
胡蘿蔔に生れ変はりし母とおもふ 石川 暘子 平成18年4月
花八ッ手喪服の人が通りけり 小杉てる子 平成18年3月
まっさらの消しゴムの角帰り花 植田 信子 平成18年2月
冬たんぽぽ母を叱ってしまいけり 横山 久香 平成17年6月
二級河川大根の葉も流れこず 坂本 宣子 平成17年4月
鳥籠にポインセチアを飼っている 大西 昇月 平成17年4月
冬たんぽぽ火の見櫓に屯せり 横山 冬都 平成16年5月
湯に浸かる落ち葉の音に馴染むまで 久根 純司 平成16年3月
母さんと並んで眠る花八つ手 遠目塚信子 平成16年2月
枯枝や中ぶらりんの縄がある 前山 厚子 平成16年2月
臘梅に鼻近づけて吠えられる 石井 勝美 平成15年5月
花柊社長の部屋の調理台 竹下由里子 平成15年4月
新刊書鍋で大根透きとおる 井上美智子 平成15年4月
枯れの駅大きな雲が通りけり 跡治 順子 平成15年3月
知恵の樹の落葉を焚けば咳きこみぬ 大西 昇月 平成15年3月
山茶花や包み持たさる寺の菓子 鎌坂 銀狼 平成15年2月
大欠伸して母逝けり花八ッ手 川辺智恵子 平成14年3月
公園の午後四時枯葉に囲まれる 東  霊女 平成14年3月
葱包むしんぶん紙に両陛下 袴田比朗士 平成14年3月
鈴の音の手紙が着きぬ花八ッ手 進藤三千代 平成13年4月
百様の空もつ冬芽響きあう 久保 俊一 平成13年4月
水仙にガラスの曇る利休庵 岡田美佐枝 平成12年5月
それぞれの家の匂いや花八ッ手 竹下由里子 平成12年4月
冬苺まつ毛を長く見せる法 猿田 恭子 平成12年3月
胸に葱の甘さを溜めて死にゆかん 植田 信子 平成12年3月
出はじめの冷たきシャワー室の花 志水 つい 平成11年6月
柊の花踏石にハイヒール 志水 つい 平成11年5月
茶の花や写楽の顎を持つ男 井上きくを 平成11年4月
頭上より鳥翔つ音や枯木立 三島 章子 平成11年3月
馬が亡びる床屋の鏡帰り花 進藤三千代 平成11年3月
赤ん坊がそっくり返る蜜柑山 生形 好子 平成11年2月
暗い沖揺らし続けて枯すすき 石田 剛 平成11年2月
負うた子の温くき手足や石蕗の花 三島 章子 平成11年2月
葱抱いて火事跡の襤褸またぎけり 山崎冨美子 平成10年6月
少年の首はポッキー冬薔薇 竹下由里子 平成10年5月
花柊ピカソ嫌いは猫嫌い 木村美智子 平成10年5月
冬薔薇ダンス教室煌煌と 竹内ゆき子 平成10年4月
マンションの集合ポスト枯葉舞う 石井 勝美 平成10年4月
たわみつつ回るレコード枇杷の花 竹下由里子 平成10年4月
花八ッ手芯よりずれるセロテープ 竹下由里子 平成10年3月
奥三河晴れて二股大根かな 本岡 敬子 平成10年2月
叔父が乗る落葉まみれの乳母車 進藤三千代 平成10年2月
決心の冬の苺を食っている 進藤三千代 平成9年5月
酒癖のよき淑女たち冬木の芽 新家 保子 平成9年5月
冬ざくら誰も聞かざる夜泣石 斉藤志げ子 平成9年4月
彼という波に似し字や野水仙 進藤三千代 平成9年4月
枯すすきバイオリンの弓直角に 中村 子鶯 平成9年4月
枯芝や乾き切らないバッスマット 篠崎 睦美 平成9年3月
枇杷の花厠の電気つけ変える 中村 弘子 平成9年3月
侘助や鯨幕から首伸ばす 岡田美佐枝 平成9年3月
塵の嵩めっぽう減りぬ石蕗の花 新家 保子 平成9年2月
球場に人見当らず冬木の芽 松原 勇 平成8年6月
茶の花や近くに住みて知らぬ径 井上きくを 平成8年4月
炎えしぶるものに落葉と肉片と 本岡 敬子 平成8年4月
蒼天と冬木青年引っ越せり 水田雅吉子 平成8年4月
裸木の影に重なり眠りゐし 袴田比朗士 平成8年4月
知っているかぎりの唱歌みかん山 長  星花 平成8年3月
枯れる夜母を泣かせてから眠る 石田 剛 平成8年3月
性別を聞かれし名前枇杷の花 阪口 周 平成8年2月
仏壇の燐寸を借りぬ落葉焚 山崎冨美子 平成8年2月
表札の墨のうすれや花八ツ手 竹内ゆき子 平成7年5月
西日だけあたる家あり花八っ手 須山あけみ 平成7年3月
行き先を決めて落ち葉の走りけり 斉藤 終也 平成7年3月
日なた寝の腹に生えきし枯芒 袴田比朗士 平成7年2月
箱の蓋離して置くや落葉どき 伊藤風見男 平成7年2月


歳時記TOP