作 品  作 者 玄鳥掲載

日本丸の鼠返しや冬鷗 岡部 榮一 平成23年3月
紐の犬浮寝の鳥をみていたり 岡部 榮一 平成22年4月
昭和遠し象に乗りたる冬の蠅 岡部 榮一 平成22年3月
鷹化して鳩となる日や磨硝子 岡部 榮一 平成21年4月
疑わず迷わず沖へ青鷹 岡部 榮一 平成21年3月
劫争いのように戻りぬ冬の蝿 岡部 榮一 平成17年3月
恋といふぜんまい仕掛け浮寝鳥 岡部 榮一 平成15年4月

多勢ゐてたれも見てゐぬ鴨の陣 土肥 幸弘 平成21年3月
とりあへず馬穴にもどし置く海鼠 土肥 幸弘 平成21年2月
下谷より王子に急ぐ狐見し 土肥 幸弘 平成20年2月
巻き戻す自分史前の世は海鼠 土肥 幸弘 平成19年2月
木に登り翁と梟交代す 土肥 幸弘 平成19年2月
貸したままの本の題名かいかぶり 土肥 幸弘 平成19年1月
天金や文法に似て冬の蝿 土肥 幸弘 平成18年3月
鷹見ずに終る一日酒欲しや 土肥 幸弘 平成17年3月
向き合えば賢さうなる冬の蝿 土肥 幸弘 平成17年3月
かいつぶり隣の人の居なくなり 土肥 幸弘 平成16年2月
手洗ひにまた寄りし妻かいつぶり 土肥 幸弘 平成16年2月
冬眠の蟇くれないの月あがる 土肥 幸弘 平成14年3月
梟に探偵事務所の帽子掛 土肥 幸弘 平成13年4月
新聞の裏の好きなる冬の蠅 土肥 幸弘 平成13年3月
特急の通過待ちなりかいつぶり 土肥 幸弘 平成12年2月
冬眠のけものの上の昼の寝間 土肥 幸弘 平成12年2月
冬の蝿妙になれなれしく居りぬ 土肥 幸弘 平成12年1月
モンローの胸に長居の冬の蠅 土肥 幸弘 平成13年3月
東京へ行く途中なり冬の蠅 土肥 幸弘 平成11年2月
梟の目玉に闇の定まりし 土肥 幸弘 平成10年4月
かいつぶりレントゲン車に靴並ぶ 土肥 幸弘 平成10年4月
鼻をつまんで舌出す遊び鳰 土肥 幸弘 平成10年4月
かいつぶりとんだ修羅場に出て来たる 土肥 幸弘 平成10年2月
兎の箱ごそと音して傾きし 土肥 幸弘 平成9年2月
剃りあとをなぜて確かむ冬の鵙 土肥 幸弘 平成8年4月
鯨の中の畳の部屋に灯がともる 土肥 幸弘 平成8年4月
かいつぶり見てゐて見合終りたる 土肥 幸弘 平成8年2月
なまこ食ふ律儀に顎を動かせて 土肥 幸弘 平成7年2月

お台場のウッドデッキや都鳥 小池紀代美 平成24年5月
明けやらぬ鱈場へ競ふ水脈幾多 登坂 章一 平成24年3月
天領に鷹一声を放ちけり 横山 冬都 平成24年3月
防人の越えし峠の鷹柱 松橋紀代二 平成24年2月
長曽我部枯蟷螂の顔をして 久野 孝子 平成23年12月
白鳥の水を離るる時激し 多武 静也 平成23年6月
佐用姫の領巾のなびきや冬の蝶 畠山 桂泉 平成23年5月
江の島のとんびに出自問われけり 松橋喜代二 平成23年3月
鴨ひきて残りし杭の細きかな 尾﨑トキ子 平成22年7月
鮟鱇や眠る大和に灯の点る 中島 道夫 平成22年3月
曜変の天目茶碗青鷹 安田 循子 平成22年3月
あからさまにふぐりおとしてかえりけり 窪本 正行 平成21年5月
寒鰤や裸の声がぶつかりぬ 豊田 幸枝 平成21年5月
プラトニックラブと言うべし返り花 平井知志子 平成21年3月
冬の蝿陽のある方へ消えたきり 後藤 理勢 平成21年3月
冬蝿のかがやいている美術館 大西 史子 平成21年3月
オーボエや首より翔けるオオハクチョウ 島倉 晴美 平成20年6月
綿虫や奈良井の宿の深庇 松橋みつえ 平成20年3月
しゃっくりの途中に海鼠届きたる 横山 冬都 平成19年4月
石棺の王子のねむり蒼鷹 安田 循子 平成19年3月
浮寝鳥運河に並ぶ定食屋 鈴木 弘子 平成19年2月
ぶら下がる兄の二の腕青鷹 坂口 周 平成17年5月
草原の全円にして鷹の天 井上きくを 平成17年3月
石段の途中のおどり場雪ほたる 袴田比朗士 平成17年2月
百畳の座敷がななめ冬の蜂 井出 栄子 平成16年5月
夜の白む大学病院冬の鵙 袴田比朗士 平成16年5月
弓なりに黒潮の帯鷹渡る 井上きくを 平成16年3月
冬の蝶落とせば骨落とせば帯 若林 千尋 平成16年3月
勤行の真中通る冬の蝿 久保 俊一 平成16年3月
つかぬこと問はれてゐたる大海鼠 横山 冬都 平成16年3月
にほどりの岸に座りて五十年 袴田比朗士 平成16年3月
笹鳴きに似て少年の耳打ちは 山崎冨美子 平成15年6月
古本の煙草の匂い都鳥 竹下由里子 平成15年5月
冬の蜂突然国歌を歌い出す 新井 裕 平成14年4月
歯の抜ける予感している浮寝鳥 石田 剛 平成14年4月
掃除機が食べてしまった冬の蠅 山崎冨美子 平成14年4月
留守番の茶の間の冬の金魚かな 後藤 理勢 平成14年3月
笹鳴や藪に光れる捨て玩具 佐藤 宗雄 平成13年5月
振って消すマッチの匂いかいつぶり 前山 厚子 平成13年3月
お八つどき座れば肩に冬の蠅 袴田比朗士 平成13年3月
かいつぶり鏡の中に人の顔 前山 厚子 平成13年2月
冬の蠅次はわたしを飼うつもり 若林 千尋 平成12年6月
潮待ちの男がふたり冬鴎 安田 循子 平成12年5月
かいつぶり白紙撤回いたしけり 鈴木あきを 平成12年4月
一声は狐忠信国栖の月 安田 循子 平成12年3月
綿虫や天保二年の道しるべ 袴田比朗士 平成12年3月
句座といふひとときのありかいつぶり 木村美智子 平成11年7月
卓上に未完の一句冬の蠅 片岡 禎子 平成11年5月
地に伏せよ狼天に星幾多 溝本 正幸 平成11年5月
五体投地に似たる伸びして炬燵猫 坂部まきゑ 平成11年4月
身籠りという閃光や鶴の天 木村美智子 平成10年6月
白鳥の頸の途中を見ていたり 岡田美佐枝 平成10年3月
西日さすだけの窓なり都鳥 倉持 淑子 平成10年2月
笹鳴きや耳を掻くとき眼を閉じて 山崎冨美子 平成9年6月
浮寝鳥たしかな殺意ありにけり 若林 千尋 平成9年4月
指鉄砲百羽の鴨を撃ちまくる 大西 昇月 平成9年3月
たのまれし牡蛎買う葬の帰りかな 袴田比朗士 平成8年5月
レストランの窓ぎわが混む浮寝鳥 志水 つい 平成8年2月
なまこ食うために鬱の日ありにけり 坂田 邦子 平成7年4月
かいつぶり誰かが寺を通り抜け 木村美智子 平成7年4月
白鳥の汚れし首は射抜くべし 本岡 敬子 平成7年3月
綿虫や少女期という隠し部屋 植田 信子 平成7年2月


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